著者の林氏はデリバティブなどの教育で有名なシグマベイスキャピタルの社長です。本書は日本経済の抱える問題点、特に国の財政の問題について、さまざまな角度からバランス良く簡潔に描いています。日本の財政はすでに破綻状態なのですが、これまでは個人の余剰資金でなんとか買い支えることが可能でした。では個人が(金融機関を仲介して)「日本の国債をいつまで買い続けられるのか?」という問いに対して、著者は「2013年までが日本経済のラストチャンス」であると言っています。
幸い、それまでに取れる手段は豊富に残されていると言います。ではどういった処方箋があるのか?それは本書をお買い上げになってお読みください。著者はその広い見識を駆使してたっぷりと処方箋を用意してくれています。もしかすると、ひとつひとつの方法には異論や反論があるかもしれませんが、これだけ要領よくポイントをまとめてあれば、ブレーン・ストーミングのたたき台にするには最適です。
著者の指摘するように、日本の財政問題への対応は待ったなしの状況です。著者は、国内製造拠点の空洞化が進んでしまった後に、国力の衰えによる円安局面がくれば、15年後には再び1ドル=360円の時代が来てしまうかもしれないと言っています。水晶玉で将来を予知することは誰にとっても難しいことですが、本書を読めば、このままに無為に過ごすのではなく「何か行動をしなければいけない」という気がしてくることは請負です。