写真で着付けを解説した本で、上製230ページのほとんどのページに豊富な写真がカラーと白黒で載っていますが、
これらの膨大な写真はすべてこの本のために撮り下ろしたものだそうです。大変な手間がかかった本だということが見て取れます。
お宮参りから七五三、十三参り、成人式、卒業式、婚礼、叙勲、葬の旅立ちまで、人生のすべての儀式の和装着付けの理論と技術方法が詳細に解説されています。
男性の袴の着付けも載っています。
著者は日本の着付け界で有名な人らしく、写真からも着付けに気品があることがよくわかります。「黒地塩瀬に螺鈿をふんだんに使った金彩友禅打掛」(12ページ)の美しさには、思わずため息が出ました。
また、76年も前の旧財閥の婚礼衣装「紗綾形綸子地に八重桜の総模様五つ紋」を使って今の若いモデルに着せた写真があるのですが(22ページ)、古さがまったく感じられず、それどころか、新しい感覚さえ漂っていて驚かされました。本当に凄いです。
それぞれの儀式での着物着付けはコマ割り写真で解説されています。着付けをコマ割りで解説した本は他にもありますが、このくらい細かいコマ割りで詳細に解説された本はあまりないように思います。
着物の構成と名称や帯の種類や家紋や末広(扇)の種類やバッグと草履や吉祥文様、冠婚葬祭とお金のマナー:熨斗の種類の解説や男性のモーニングコート(第一礼装)や神前結婚式次第まで載っていて、至れり尽くせりという感じです。値段は、本の内容から見るとお買い得感があります。着物好きならば、一家に一冊は常備しておきたい本ではないでしょうか。