明治から大正、昭和初期と帯留めの文化は以外に歴史浅く、幕末の刀のつば飾りや目貫を創る職人たちの技術が継承され、第二次大戦前までが、帯留めが新たな中産階級を中心に花開いた時代でした。
当時の職人のユーモアあふれるセンス。精緻な仕事ぶりが手に取るように感じられます。
そうして戦争をくぐりぬけた逸品たちが池田さんのコレクションの仲間入りをしているわけで、しかしながら帯留めの性質上、根付のような海外流失は少なく、本当に世界的な?!貴重なコレクションといえます。
着物のコレクションでも第一人者である池田さんの審美眼は超一流であり、このような美しい写真とともに堪能できるのは日本人の誇るべき遺産といっても過言ではないと思います。
まさに少ない資源を生かす日本人の知恵、極限までのワザを磨く勤勉さは長い江戸町人文化の中ではぐくまれた大切な資質といえましょう。
デザイン意匠のすばらしさなど、いまこそ日本人の資質、得意技とはなにか?「温故知新」の時期に来ているのでは?と考えさせる内容です。もうひとつの著作「日本の髪飾り」と合わせ、一見の価値ありです。