敗戦時の夏、とテーマを明確にした上で、当時政権の中枢にあった人から
一般人として国内で生活していた人や海外で従軍していた人、はては
思想犯として投獄されていた人までが語り合う座談会の記録。
この企画を実現した当時の文春は、エライと思う。
この座談会のことは昭和時代の話にはよく出てくるので、図書館で
昔の文春を漁って複写していたのだが、それをこのように読みやすい本に
整形してくれたのも嬉しい。
終戦時のことに疎い人にもわかるよう、適宜、解説も付されている。
それにしても最近、当事者でない人達の「対談」が新書になることが多く、
出版社もお手軽な仕事してるな〜と思っているが、この本はそういう
安直な造りの本ではない。終戦を体験した人が、それぞれの立場で
その体験を語り、あわせてその背景について思うところを述べているので、
歴史的、政治的にも、非常に示唆に富む内容だ。
値段も手頃なので、この時代・社会に興味のある人なら、読んで
ぜったい損はない。