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日本に古代はあったのか (角川選書)
 
 

日本に古代はあったのか (角川選書) [単行本]

井上 章一
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

中世は鎌倉幕府から、近世は江戸幕府から始まっている――。新しい時代がいつも関東から始まるのはなぜか。私たちが教科書で習う「時代区分」に疑問をもち、関東中心史観に陥っている私たちの歴史観に鋭く切り込む。

内容(「BOOK」データベースより)

私たちの歴史観は、時代区分の位置づけにより大きく左右される。日本では明治以後、武家の台頭が中世の起点となるが、中国の中世は日本より数世紀先んじている。一方、西洋には古代がない国もある。ユーラシアの東端にある列島は世界史のなかにどう位置づけられるのか。律令制、荘園制、封建制など、さまざまな観点から時代の変わり目を考察し、従来の歴史観にとらわれず、ユーラシア史との関わりのなかで日本史に新たな光をあてる。

登録情報

  • 単行本: 307ページ
  • 出版社: 角川学芸出版 (2008/7/11)
  • ISBN-10: 4047034266
  • ISBN-13: 978-4047034266
  • 発売日: 2008/7/11
  • 商品の寸法: 19 x 12.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
東大系の学者と京大系の学者の時代区分のちがいを手掛かりに日本史のあやうさを説く本とみた.日本が日本になったのは唐にならって律令制を制定し,班田制を施行してからである.それ以前はなんだったのか?それを古代と措定すると中世がいつはじまるかという問題がでてくる.開始時期は荘園の成立をメルクマールとする平安中期説から太閤検地まで下げる安良城説まで諸説ふんぷんである.井上の大胆なところは唐の制度を引き写しに7世紀に成立した国家はそもそも古代国家でないのでないか,と考えたところにある.(内藤=宮崎によれば,中国では古代が漢で終わっているから.)井上が指摘するように日本では原始社会から古代を飛び越して中世に入ったとする説はソビエト科学アカデミー版の世界史につとに記されている.(60年代には翻訳が出た筈)だからなにも新説というわけではないが,東洋史と日本史の不整合を誰の眼にも解かりやすく説いたのは大きな功績.日本国家が成立したということは日本が唐を中心とする東アジアシステムの[半周縁]に組み込まれたということに他ならない.書名が「古代に日本はなかった」ならいっそう内容にふさわしい.
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13 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By toshi
形式:単行本
 東大系の学者ならとても書けないであろうスケールの大きさとアバウトさ(?)に、さすが京大といたく感心した次第です。その意味で、本文にも数多く登場する宮崎市定博士や梅棹忠夫氏・梅原猛氏らの伝統は著者井上章一氏に受けつがれたと言っても過言ではないかもしれません。ただ、これだけ東大への敵意をむきだしにされると、その東大にはおいていかれ、一橋や東工大に並ばれつつある(あくまで偏差値レベルの話です)京大の断末魔の叫び声のような気がしないでもありません(京大の人、ゴメンナサイ)。
 日本の中世の始まりを平安時代においたり、さらに進んで、日本に古代はなかった、とするには、さすがにもう少し緻密な論証が必要でしょうが、少し前に読んだ、東大系著者たちによる新入生ブックガイドの鼻もちならないエリート臭さ(たとえば東大出版会以外は出版社でないような)に辟易させられていただけに、いささかの爽快感を感じたことも事実です。
 最後に、この本にも出てくる、石井進氏の『鎌倉幕府』(中央公論社)、これは名著だと思います。名著には大学名など関係ありません。今から約40年前に次の展開をワクワクしながら読んだこの本のことを懐かしく思い出しました。これからも井上章一氏のますますの大風呂敷を期待します。
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38 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
 内藤湖南から宮崎市定へと継承された京大中国史の学統では、ヨーロッパ史と東アジア史は並行的に論じられ、秦漢帝国の崩壊を中世の始まり、宋代からを近世とする。井上はまず、この時代区分を受け容れる。すると問題は国史との整合性で、日本の歴史を東アジア史の中に組み入れるなら邪馬台国頃からが中世、鎌倉期からが近世という話になる(実際には井上は、仏教伝来なども考慮して6Cからを中世、応仁の乱以降を近世とする。p127)。全15章中の、これで6章。
 7章以降は、「中世は鎌倉から、近世は江戸から」という区分の起源が問われる。どうやらこれは明治期以降、ローマ帝国とゲルマン民族の歴史を畿内と東国に矮小化して投影し、「停滞的な近畿、新時代を開く関東!」という関東史観が蔓延ったことによる。そこには「中国文明に汚染された京都を否定する」という意味で、脱亜入欧の夢も混入していた気配もある(p174)。石母田正に見られるように、戦後のマルクス主義史観でさえ、この弊を逃れていない(p208)。
 …というような話が東大vs京大とか関東vs京都とかの因縁話と絡めて展開される。それはそれで面白いのだが、東大(=ローカル)vs京大(=グローバル)なんて図式のイメージ闘争に、どの程度の意味があるのか疑問にも思う。受験生の動向で京大劣勢が伝えられる昨今、「はんなり」したリベンジってことなのか?
 そもそも、古代・中世・近世という歴史の枠組みそのものに、どこまでこだわる必要があるのかについても、私には疑問がある。6C以降を中世として分裂の相の下に見ることで、歴史は書き換えられるのかもしれない。しかし、「〜として見る」程度のことで書き換えられる歴史というものも何とも情けない、所詮はオハナシでしかないだろう。そういう問題については、すでに多くのことが論じられたように思うのだが、どうだろうか?
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投稿日: 7か月前 投稿者: 糸音
時代区分と思想
 前半が時代区分をあつかい、後半は関東史観をのべる。... 続きを読む
投稿日: 2009/12/3 投稿者: ヌース2
歴史学者には書けなかった時代区分
日本に古代はあったのか、という書名は確かにセンセーショナルな響きがありますし、本書を貫く「関東史観」への批判は、東大学派と京大学派の対立構造まで浮き上がらせている... 続きを読む
投稿日: 2009/8/17 投稿者: sasabon
「歴史」が常に相対的にしか見られないことを思い出させてくれた。
日本史が、アジア史、否、世界史の中の一部に過ぎないのならば、井上氏の論は実に自然に納得できる。むしろ、中高という学校教育を強制的に受けざるを得なかった頃の、常に抱... 続きを読む
投稿日: 2009/7/2 投稿者: ひろすけ
面白いね、こういうの大好きだよ
縷々著者のいう、「京都が」とか、「東京」がどうとかに、べつだん関心はないが、日本の歴史学者の迷妄ぶり、西欧史学への追随ぶりを批判する点は、まったく共感できるね。<... 続きを読む
投稿日: 2009/1/9 投稿者: 濱哲
首都東京へのルサンティマン全開の愚書
評者は長く帝都を擁し、我が国の政治・経済・文化の発展に大いに寄与してきた上方に深く敬慕と憧憬の念を抱くものであるが、本書の首都東京への被害妄想には心底辟易させられ... 続きを読む
投稿日: 2008/11/21 投稿者: ナルボンヌの蜜蜂
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