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日本とアジア (ちくま学芸文庫)
 
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日本とアジア (ちくま学芸文庫) [文庫]

竹内 好
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

西欧化だけが日本の近代化の道だったのか―。魯迅を敬愛する思想家が、戦前からの中国文学研究の蓄積のうえに、日本の近代化、中国観・アジア観、ナショナリズムを鋭く問い直した評論集。「中国の近代と日本の近代」(1948年)、「近代の超克」(1959年)、「方法としてのアジア」(1961年)など、今なお思想的有効性を失わぬ23編を収録。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

竹内 好
1910年長野県生まれ。東京帝国大学文学部支那文学科卒業。中国文学者・評論家。1934年武田泰淳らと中国文学研究会を結成し、日本における現代中国研究の端緒を開く。1944年発表の『魯迅』は戦中・戦後の思想界に大きな反響を呼んだ。1953年から60年まで東京都立大学教授。1977年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 491ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (1993/11)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4480081046
  • ISBN-13: 978-4480081049
  • 発売日: 1993/11
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:文庫
 1910年生まれの著者が「アジア」という言葉に込めている意味は、半世紀後に生まれた私がこの言葉から思い浮かべるイメージとはかなり異なっている。それは第二次大戦後の日本ではほとんど顧みられなくなった、日本とアジア諸国との連帯を掲げる「アジア主義」の文脈で語られるアジアであり、具体的な地域としては、戦前の日本人が最も深く係わりあったアジアである朝鮮と中国を指している。

 著者は、戦前の日本人は心中に深いアジア認識を持っていたという。そのアジア認識には大きな誤解が含まれていたにせよ、ともかく当時の日本人がアジアについて考える姿勢を、近代化の進展の中で主体的に形成していったことを大きく評価し、この姿勢が敗戦によって否定されたのはやむをえないが、そのために大切なものを失う結果になったのだと続ける。それは、明治以来つちかってきたアジアを主体的に考える姿勢であり、またアジアの一員としてアジアに責任を負う姿勢だったという。

 著者はさらに、朝鮮という国を滅ぼし、中国の主権を侵す乱暴はあったが、ともかく日本人には朝鮮や中国との関連なしには生きられないという自覚が働いていた。侵略はよくないことだったが、しかし侵略には連帯感のゆがめられた表現という側面もあり、無関心で他人まかせでいるよりは、ある意味では健全だったと語り、戦後の日本人がアジアに対して主体的に係わろうとしない姿勢を批判していく。
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7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 率直に言うと簡単に評価を下すべき本ではないなと言うのが感想である。

 まずもって、この本は未完成であり、現在進行形であると考えられる。何と言っても竹内好の迷いが目に見える。そして、その「迷い」が聡明故、その主張がイデオロギーではなく思想であるが故であると考えられる。

 一つ遺憾であるのが、この本は思想史の本であると思うが、人物の歴史が少ない気がする。ただ、竹内の時代に課題としてあったものが今なお残っている事を客観的に検証してみる価値はあると思われる。

 著者の竹内好はやや左向きで大東亜戦争に対しても否定的であるがイデオロギー的な左翼や共産主義に対しても懐疑的であるなど、現代のバカサヨクが言うような「侵略戦争を起こしたから悪い、侵略されたから可哀想」といった中学生のような放言はないので、首を傾げる事はあってイライラする事はない。
 また大東亜戦争=太平洋戦争という認識ではなく、別々の戦争と捉えている節があるのは興味深い。確かにGHQによって「大東亜戦争」の呼称が禁止されて「太平洋戦争」と呼ぶようになったという様な単純な話ではないと言える。

 まとまらないが、リベラル的だからと言って避けるには勿体ない書籍である。

 なお一読した立場の意見として解題にもある通り、一番最初の「中国の近代と日本の近代」は後に回す方が望ましい。
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17 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 竹内好氏と言えば、我らからすると父親の世代に相当する。論壇での活動時期は戦前から1970年前後に亘る。
 当時はこういう文章が一般的で、有難がる傾向にあったのかも知れないが、何しろ文章が分かりにくい(はっきり言って悪文といっていいと思う)。
 もう少し年上の中野好夫さん文章の明快さと比べると一目(一読?)瞭然であり、お仲間でおられた武田泰淳さんの明快さに比べても、やはり時代のせいではなく、竹内好氏の(マイナスの)資質ではなかろうか。

 内容についても、例えば「近代の超克」という論考があるが、どうも言いたいことが良く分からない。「戦争の理念」などという言葉が出てくるが、元々戦争に理念などないことは自明であるにもかかわらず、こういった議論をするなど全く不可解だ。
 戦争に理念などないことの証拠については、「証言 私の昭和史」(文春文庫、残念ながら品切れ)などの将校連中でない「現地兵士」の証言(相手を食うための兵士同士での殺し合いなどなど)などを聞けば明らかだ。安全地帯でのうのうとしていた将校、現地でも飯をたらふく食っていた将校(兵士が餓死してゆく中で山下奉文は「堂々と肥っていた」そうな)連中のずるさ、汚さを知れば尚更だ。

 ということで、一般的には評価が高いらしいが、当時の論壇の雰囲気が分かるという「歴史的」な価値しかないと思われ、★2つ。
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