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この本で石井氏は日本の主要な資本が国家を還流していることを指摘し、日本が表面的には資本主義を装っているものの、実相としては国家社会主義経済であることを明らかにしている。毎年一般会計予算成立が報道されるが、国家会計で数倍の規模をもつ使途特定税の会計である、特別会計は主に農林省、国土交通省の裁量で各地方に配分されているのだ。必要性も将来性も吟味されていない港湾計画や道路建設計画などの計画経済が何十年先まで組まれているのである。この国家社会主義という実相を裏付けるものとして石井氏は就業者人口の職業別分布を上げる。何らかの形で国家に関わって喰っている人間が5割もいるのである。確かに国家には収税を通じた富の再配分という機能があるものの、国家社会主義を推進する日本の場合、一部の国家に取り付いた寄生虫のごとき連中に過剰配分されているという現状が明らかにされている。それが昨今独立行政法人という偽装のもとで増殖している国家企業体を通じて為されているのである。
このような事実を明らかにする力量と強い意志を持つ石井氏が日本にとって極めて重要で貴重な人物だったことは明らかである。彼の冥福を祈るとともに、この本を推薦す。
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