タイトル通りの短編が並んでいます。物語たちの時代設定が戦中から敗戦辺りまでなのは、そこにしか日本は出てこない、ということでもあるでしょうか。
作品の初出年は29年から92年まで幅広くありますから、その思いを一層強くします。
もちろん、そうした時代を描いているわけですから、扱われる「日本」はマイナスイメージとしてあります。それを読むことは不快でもなんでもなく、むしろ、他者の目で自国を眺める機会として、おもしろいものでしょう。それをして「自虐史観」と捉える人々のほうが、よほど自虐的である、と思います。
といった辺りをちゃんとおさえた上で、子どもがどう描かれているのか、又は児童文学がどのようなメディアとして韓国ではあるのかを観てみるのも面白い。もちろん、扱っている素材が似ているということもあるでしょうが、およそ60年の時間差がありながら、それぞれの作品の手触りや温度はさして変わらないのが、私にはとてもおもしろかった。