以前にムック版で刊行された物の、単行本化。
かつては、東京12チャンネル(現テレビ東京)を中心として、B級やC級の作品が、ばんばんテレビで放送されていた。
それは、内容がチープだったり、過激だったりと、さまざまな理由がある作品群だったのだが、大学生で昼間の時間がありあまっていた当時、いやというほど見た。
そして、そのチープであり、ブツブツにブッタ切られたストーリーの中に、一条の光を見つけること、はたまた拾い物を見つけることを、楽しみにしていたものだった。
いわゆるプログラム・ピクチャーという、まさに自由気儘に、作りたい物を作る、というスタンスで製作された数多くのB級C級映画たち。
しかし、だからこそ、芸術性なんか目じゃない、賞なんか狙わないというスタンスの、観客を楽しませ喜ばせることだけを考えた真のエンタテインメント作品があった。
そして、作る側が楽しんだことが、観る側にも切実に伝わってくる作品があった。
制作費が少なくて、実にチープな作りの作品でも、そこに多くの工夫が盛り込まれていたりもした。
多くの作品は、まさに一期一会のものであり、見そこなうと二度と目にすることがかなわなかった。
しかし、その多くの累々とした屍たちが、多くの監督を、プロデューサーを、そして俳優達を鍛え、育てたことを忘れてはいけない。
そして、制作技術や撮影方法等が、それら多くの屍作品群で試され、やがてテクニックとして完成されていったのだ。
けっして、無駄なクズ作品だったわけではない。
本書は、そんな映画たちに対する、まさにラブレターである。