厩戸、毛人、刀自古のそれぞれの道ならぬ恋を軸に、増長を深める大王と厩戸・蘇我の対立が描かれます。
刀自古は女性キャラの中でも特に魅力的で、読者の共感を得るキャラだと思います。毛人を除いて、厩戸皇子を理解できる可能性があるのは彼女だけかもしれません。
それだけに彼女を襲った悲運と、それによって捻じ曲げられた人生に悲哀の念を禁じ得ません。
美しい心の持ち主でも醜い心の持ち主でも、ひたむきに生きていようと堕落した生き方をしていようと、幸運も災厄も分け隔てなくその身に降りかかる。
そんな人生の機微を描かせたら山岸凉子は天下一品ですが、同時刊行されたこの4、5巻のあたりは、まさにそれが遺憾なく発揮された感じです。
脂が乗り切ってる感じ。
いよいよ物語は次の6、7巻で完結へと向かいます。
何度も読んだことのある作品だというのに、終わってしまうのが残念でなりません。
そういえば、続編とも外伝とも言うべき「馬屋古女王」は収録されるのでしょうか。
あれはぜひとも入れてほしい。あの見事なラストページを持って、厩戸皇子の壮大な物語は全き終わりを迎えるのだと思います。
(蛇足ながら、この5巻にも4巻と同じく、原稿紛失によりスキャンで復元されたページがあります。それと編集者の律儀なコメントも(笑)
メディアファクトリーさん、次の巻は注意書きは無用ですよ〜)