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著者の見解によれば、「自分達は中国の民衆を相手に戦っているのではないという日本人の主張は正しい」。中国の民衆は日本軍を敵視していず、むしろ『新秩序の伝達者』として受け入れていたのだ。一般市民は秩序の回復者としての日本軍を歓迎し、日本人相手の商売に勤しんでいた。
『日本軍に協力している少なくともかなりの部分の中国人は国家主義的愛国者』であり、売国奴とはよべない、とも著者は言っている。
また著者のみたところ日本人は『中国人の共感を得ようと努力して』おり、驚くべき有様で『一般に何らの摩擦もなく中国の生活に溶け込んで』ゆく。
道筋には『侵略者日本の暴虐に抗して立ち上がれ』とアジる反日宣伝ポスターが貼られているが、民衆は全く相手にしていない。
著者の優れた観察眼は、中国を巡る欧米列強や近隣諸国、即ちソ連、ウイグル、モンゴル、チベットや朝鮮らとの歴史的或いは地理的関係の上にも遺憾なく発揮されており、満州・ソ連国境の紛争や半植民地化の事態を招いた中国自身の問題点にも言及するなど示唆に満ちている。
東アジアのそれぞれの国柄を生かしたうえでの『大東亜共栄圏』の理想に燃えた、かつての日本が、まぼろしでもプロパガンダでもない、ありのままの姿で読者の前に再現される。
満州国立銀行や満州国官庁の威厳あるたたずまいと、北満の機械化された農業が、最も近代化というものを感じた写真である。特に北満の大地にトラクターが走っている様は、北海道を除けば今の日本でも見ることが出来ないのではないか。
次に近代化というものを感じたのはソウルの描写からで、上海では日本の存在感がすでにイギリスを上回っている。それらのことから、当時の日本が大陸に及ぼしていた影響がいかに大きなものであったのかを認識出来る著作でもある。
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