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日中戦争への道 満蒙華北問題と衝突への分岐点 (講談社学術文庫)
 
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日中戦争への道 満蒙華北問題と衝突への分岐点 (講談社学術文庫) [文庫]

大杉 一雄
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

満蒙問題から軍事衝突への歴史過程を読む。1931年の満州事変以降15年に及ぶ戦争の時代。日中間の課題解決は武力行使による他なかったのか。外交的方策、軍部の動き、思想の展開から戦争への道を検証

内容(「BOOK」データベースより)

一九三一(昭和六)年に起こった満州事変。それはそのまま日中戦争への引き金となったのか。ひき続く満州国建国から停戦協定、蘆溝橋事件、「国民政府を対手とせず」声明まで、日本と中国の関係は必然的に軍事衝突を結果するしかなかったのか。満蒙・華北問題の解決に向けた外交的展開、軍部の動き、思想面での主張を吟味、戦争への道を具に検証する。

登録情報

  • 文庫: 456ページ
  • 出版社: 講談社 (2007/11/8)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061598465
  • ISBN-13: 978-4061598461
  • 発売日: 2007/11/8
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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17 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本書は満州事変から日中戦争にいたる主に政治的な流れにポイントをしぼって詳述する力作である。通説に流されずに、史料の精読と客観的な叙述によって、まったく新しい日中戦争のイメージが浮かび上がる。
従来言われてきた陸軍悪玉史観であるが、著者は出先機関である満州軍の横暴があったことは事実であるが、それを止めようとする流れができつつあるのに壊したものとして、広田外相・近衛首相ら政治家の不作為を挙げる。広田外相の後を受けた佐藤尚武外相は、対中融和路線を着々と進めていたが、政権交代による路線変更でそれも幻となった。
また、陸軍は軍令と軍政で必ずしも一致しておらず、意外にも軍令(参謀本部)は--石原莞爾の息がかかっていたため--日中戦争の開戦阻止に向けて動いたことを明らかにする。
一方海軍は、これまで日米戦争の開戦について多く批判されてきたが、上海事変の拡大を引き起こしたことはやむをえなかったとしても、日中戦争開戦決定の連絡会議において、開戦側に就いたことが痛恨の失敗だったとして海軍善玉史観および海軍有責史観の両者に対し、一歩踏み込んだ洞察をしている。
また、戦前において言論の自由はなかったとよく言われるが、日中戦争開戦までは比較的自由であったとして、石橋湛山の舌鋒鋭い批判を挙げる。
むしろ、言論が自由であった当事にあって、世論が開戦に賛成したことが大きな問題であって、その原因として、人口問題の解決を大陸にもとめたこと、ソ連の南方進出政策への脅威を国民が共有していたことを挙げる。
これらのことは、専門家の間では膾炙していることなのかもしれない。しかし、我々一般人にわかりやすく蒙を啓いてくれた本書の功績は大きい。
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By モチヅキ VINE™ メンバー
形式:文庫
 本書は1925年に生まれ、日本開発銀行に勤めた近現代史研究者が、日中戦争の泥沼化を避けうる他の選択肢を模索して1996年に刊行した新書本『日中十五年戦争史』を、2007年に改題し文庫化したものである。本書の特徴を挙げると、第一に対象時期は1905〜38年であり、特に30年代が中心である。第二に、決定論的な十五年戦争史観への懐疑、祖国防衛戦争としての日露戦争観、当時の日本の国民意識への配慮、中国側の性急な行動への批判などの点で、著者は「左翼的」史学に批判的である。他方で第三に、著者は渡部昇一の「一種思い込みの強い極端な所説には納得できないところが多い」という発言からも分かる通り、「右翼的」史学にも批判的である。そのため著者は、日本の中国蔑視観念が中国ナショナリズムの理解を妨げ、きわめて安直な中国への謀略、内政干渉と武力行使の傾向を生みだしたことに批判的であり、中国人の立場からの見方も忘れてはいない。満州事変が本来限定的であった日本の満蒙権益を軍事力によって南北満州に全面的に拡大した点、その後も日本軍が中国本土に傀儡政権を作ろうとして中国の反日感情をあおった点、満州人口の9割は漢民族であった点なども正当に指摘される。第四に、著者は当時の日本の軍や政府の内部における方針の対立、世論における多様な主張、それらの時機的な変化、多様な形での中国政府との交渉の機会にも注目し、ありえた平和的解決の可能性を実証的かつ堅実に探っている。第五に、しかしその動きの挫折の主な原因として、日本国家が軍人の行動をコントロールし難い体制になっていたことが強調される。その際、軍の下剋上体質を決定的にした石原莞爾、軍の独走に安易に追随した幣原喜重郎、広田弘毅、近衛文麿らの責任が強く問われることになる。以上のように、本書の叙述は理論的にも実証的にも興味深い点が多い。
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By 宣長さん トップ50レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 中公新書『日中十五年戦争史』の文庫化。文庫化に当たり07年時点での研究成果も取り入れられている。学術文庫版あとがきとして加藤陽子の仕事へも仔細に評価を下す。
 ところで、日本がアジア政策を、就中中国政策を誤った為に、中国の戦後共産主義があった、逆の言い方をすれば、日本がちょっとでも頭を冷やすことができていたらより明るいものになったはずだということは本書によっても確証を深められるであろう。
 冷戦以降、中国は赤い資本主義、社会主義的資本主義ということで発展し続けている。これは、歪んでいるのでただただ発展は阻害されなければならなかったか、というにはなるまい。貧しき中国大陸に発展の口火、切欠、端緒は必要だったし、沿岸部だけに富が偏重する今単にバブルが弾かれて中国はまた極貧国に舞い戻ればいいということにはならない。
 問題なのは、戦前の資本主義の毒(西欧の植民地主義、帝国主義)に、日本というアジア同胞の毒と戦後の毒(共産主義)を加えて三重に毒を飲まされた大陸は今こそそれを解消しつつあると考えられねばならない。ここに社会主義と資本主義の矛盾は、中国滅亡論としてではなく、中国変革論として生まれ変わらねばならない。
「植民地なしで資本主義が発展し得る、ということが実証しされたのは戦後のこと」、たかだか最近の事であるのは如何にマルクス主義に毒されてきたかということを知ると同時に、戦中への反省を覆すことなくその反省を戦後の反省、冷戦以降の反省にまでそれこそを伸長し、民主主義と自由主義が欧米以上のものとしてアジアの発展の形から逆にもっと世界に攪拌させ得ることを示さねばならないのではないか。
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