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36 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
原始仏教のもつ合理性・現代性・有効性に納得させられる一冊です。,
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レビュー対象商品: 日々是修行 現代人のための仏教100話 (ちくま新書) (新書)
朝日新聞連載時に毎週楽しみにしていたコラムが一冊の本になり、早速購入しました。内容は、釈迦の説いた最初期の仏教の姿を、今の私たちの暮らしに活かせる100篇の短いエッセイのかたちで表現したものです。連載時にも強い印象を受けて何度も読み返した一篇に、「自殺は悪ではない」という文章があるので少しご紹介します。仏教には、いただいた命を自分で勝手に断ち切ったことを詫びなければならない「神=超越者」がそもそも存在しないこと。また、煩悩と結びつく行為を「悪」と規定する仏教において、自殺は煩悩とは関係ないので「悪」ではないということ。耐え難い苦悩の中で、人が最後の一歩を踏み出したときの心情を、生きている人間が貶めたりはできないということ。…この文章に対しては、多くの遺族の方からお礼状が寄せられたそうです。 筆者や釈迦は、もちろん自殺を肯定しているわけではありませんが、最も大きな苦悩と悲しみの渦中にいる亡くなった方や遺族の方に静かに寄り添うものとして、仏教のスタンスをはっきりと示されたことに感動しました。これこそを「救い」や「癒し」というのではないでしょうか。 安易な神秘や超越性に自己を委ねることなく、自分自身を高めている実感そのものをよりどころにして前に進んでいこうとする原始仏教の本質をわかりやすく説いている、大変良質な仏教ガイドブックといえます。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
釈迦に立ち戻って考える,
By 池上閑人 (東京都大田区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 日々是修行 現代人のための仏教100話 (ちくま新書) (新書)
朝日新聞に2年間にわたり毎週掲載されていたエッセイが元になっており、連載中から楽しみに読んできたが、1冊に纏まり通読するとまた別趣の感興をそそられた。著者は宗教学者で、仏教史特に原始仏教(インド仏教)が専門だ。本書はあくまで釈迦の考えたことや説いたことを論理的に述べ、盲目的信仰や神秘主義、因果応報等とは距離をとる。第1話の「最強の知恵者とともに」から最終第100話「釈迦の教えに魅せられて」まで、2,500年前に真剣に生き悩んだお釈迦様がベースとなる。釈迦の説いたことは悟りへの道であり、本来の修行(精神集中や瞑想)が智慧の源であるとの指摘は読む者の腑に落ちる。更に、現代日本の教団や僧侶のあり方、仏教教理や経典に対しての仏教原理主義者(「釈迦の仏教」にこだわる著者)からの発言は新鮮だ。 また著者は化学工学の学究徒から文学部哲学科へ転じたようで、仏教と科学は接点が多く相互補完関係にあると考え、仏教の本義の説明も合理的だ。物理学者、脳科学者、遺伝学者達との交流も折々にでてくるが、素粒子学者戸塚洋二さんとの出会いと没後の追悼は感動的だ。死別と言えば、新聞連載中に議論を引き起こした「自殺は悪でない」(第40話)も考えさせられる。生き残った者が自殺者を安易に貶めるべきではないとの説話には、キリスト教、イスラム教等とは異なり絶対者を認めない仏教の穏やかさを感じた。 本書は新聞連載が何回か延長になったようで重複が気になるし、1話がそれぞれ短く若干の物足りなさがある。しかし、釈迦の言葉を平易かつ論理的に述べており、釈迦を今に生き返らした意味ではアトラクティブだ。「生き死に」に悩みの多い現代人のための仏教入門書としては最適の1冊だと思う。
16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
宗教大嫌いな人にぜひ,
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レビュー対象商品: 日々是修行 現代人のための仏教100話 (ちくま新書) (新書)
自分は、現代日本の仏教を含めた宗教のほとんどに否定的です。日本の八百万の神などは、全てに感謝という謙虚に生きるという意味で好きですが…。 神道の善きも悪きも死ねば神(神の善悪も別)も、過去を認識し今に役立てると言う意味で理解可能。 しかし、現代にある多くの宗教の言う「神」「絶対者」「超越者」「生まれ変わり(笑)」など居る訳もないし、「人間に都合の良い便利な発明」程度の認識です。自分で考え悩む必要が大幅に減る訳ですから…。 仏教も同じ様なものだとの理解でした。 しかし、このコラムを朝日新聞の連載で目にしてから、「原点の仏教」については大きく認識が変わりました。 仏教とは本来、自分自身で自分の心を助けるものだったとは。 釈迦は後進に道を示してくれただけで、絶対者ではないとは。 そして「絶対者」も「超越者」も居ない、普通の人間が主役となるものだったとは。 仏教は宗教ではなく、生きる為の哲学だなと思いました。 しかし、初期の仏教もまた宗教。とするならば、今まで自分の認識していた「宗教」は完全に間違っていた訳だ(笑) いったい宗教とは何なのだろう? 少なくとも、自分は「仏教」の徒なんだと気が付かされた。 (そして連載の終わった今、朝日は解約した)
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