高次脳機能障害に対しての知識は特に持ち合わせていなかったのですが、新聞の紹介記事を読んで興味を持ち購入しました。
6年前にくも膜下出血から生還したものの、脳に障害が残ってしまった夫との現在までの生活を漫画で紹介しています。病気を患った夫本人は自覚がないのですが、障害者を支える家族は大変。まさに日々戦いという感じで、退院から再就職までのサポートを苦労しながら行います。多くの人が壊れてしまうような苦悩ですが、幸いにも優しいタッチのイラストで描かれているためそこに暗さや禍々しさを感じさせないのが本書の特徴でしょう。
全国で50万人もの患者がいるとされるこの高次脳機能障害、身近に縁のない方でも、知識を得るために本書を購入するのも良いと思います。
実は、私がこの本を読んだ一番の理由は、「家族の一人が以前と別人のように変わってしまっても、愛し続けることができるか」という卑しい好奇心からでした。家族というものに恵まれてこなかった私にとって、興味深いテーマだったので。しかし著者は過去を振り返ることなく、夫が家族であることを不変のものとして支えます。全ての家族がこうなれるとは思わないけれど、一つの家族愛の形を見つけたようでさわやかな読後感が得られました。