ガルシア・マルケスの作品を初めて読んだ。
悪夢の中で蠢いている主人公(この作品に「主人公」がいればだが)が、円環のように
ぐるぐると悪夢の周りを動き回る作といえようか…
どうにも形容しようのない作品。
ただ、このような作品を描きうるのは南米の作家だけであろうと思う。
一人の独裁者が支配する国。教養はないが決して愚かではない独裁者。
その独裁者の孤独な物語り。
文章は緻密に練りあげられ、緊密な文章がどこまでもどこまでも続く。
段落変えもなく、文章そのものも文章の内容もあくまでも濃く、いつまで物語りが続くのかと
不安になる、。
ボルヘスは何冊か読んだが、その作品とどうにも同じ「匂い」がする。
初めての作家でここまで衝撃を受けた作家は少ない。
特に驚くのが、「乾いた残酷さ」。罪のあるなしに関わらず、人がいともたやすく命を奪われる。
その「命の重さ」がまるで意味をなさない国でなければ、ここまで「乾いた文体」で「濃密」に
描くことはできないのでゃないかとさえ思える。
残酷なシーンが多いのではなく、簡単に(独裁者からであれ、隣人からであれ)拷問され、
殺される。
「死」が通常の生活空間に入り込んでくる不気味さ。
そして … 「独裁者の孤独」
この二つが織り成すタペストリー。
自分でどう表現すべきか分からなくなるほどの「異世界」、そしていつのまにか物語の中に
入り込んでしまった自分を見つけてしまう。
物語に引きずり込まれ、本書を一日で読み終え、なんとも言えない「不快感」とも「非現実感」とも
つかない思いをした。
少なくとも本書を読んで「読めない」と思うことはあっても「読んで面白くない」とは思わない。
ここでは、「100年の孤独」を読んでいないため、作家の意図自体が分からず(無論私の無知ゆえ)に
星は四つとしておく。
ぜひ読んでみてレビューを書いてください。