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旅順攻防戦の真実―乃木司令部は無能ではなかった (PHP文庫)
 
 

旅順攻防戦の真実―乃木司令部は無能ではなかった (PHP文庫) [文庫]

別宮 暖朗
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日露戦争の勝敗を大きく左右した“旅順要塞”をめぐる激闘―。この一大消耗戦を指揮した乃木将軍は、陥落までに夥しい犠牲を払ったことから、非難されるケースが多い。だが、その評価は本当に正しいものだろうか?本書は、旅順攻防戦の最大の焦点となった二〇三高地戦の真の狙いと、乃木司令部が取った“革新的戦術”を明らかにする。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

別宮 暖朗
1948年生まれ。東京大学経済学部卒業。西洋経済史専攻。その後信託銀行に入社、マクロ経済などの調査・企画を担当。退社後ロンドンにある証券企画調査会社のパートナー。歴史評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 365ページ
  • 出版社: PHP研究所 (2006/05)
  • ISBN-10: 4569666051
  • ISBN-13: 978-4569666051
  • 発売日: 2006/05
  • 商品の寸法: 15 x 10.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 149,695位 (本のベストセラーを見る)
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33 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
改めて言うまでもないことではありますが、『坂の上の雲』は小説であり、ノンフィクションではありません。司馬氏がエッセイなどで自身の歴史観を元にさまざま考えを述べていたことは確かですが、所詮小説家というのはストーリーが元にあって「そうあって欲しい」というバイアスをかけて史料を読むので、その見解を事実ととらえてはいけません。

・・・と念のため前置きしておいて、この本の真価は、要塞戦、塹壕戦の実態を旅順攻防戦を教材に読者にわかりやすく教えてくれるところにあります。(司馬遼太郎批判はそれほどはでてこない)初めに塹壕戦の技術的ポイントを教えてくれ、次に時系列で旅順攻防戦の双方の駆け引きが描かれます。原則は原則、しかし、個々の戦場ではさまざまな要素があり、かならずしもセオリーどおりにはいきません。

例えば、旅順では港内の艦隊の存在がキーになっていたが、それをめぐって海軍と陸軍の間に対立があり、それが現場での判断を拘束していたこと。一方のロシア側もセオリーどおりの篭城を厳命するステッセルに対し、出撃を主張し、陣頭に立つコンドラチェンコの方が戦術的には誤っていたにもかかわらず兵士には人気があったという矛盾を抱えていました。そして、勝敗を決したのは、陣地をどれくらい奪うかではなく、人命をどれだけ奪うかでした。これに決定的役割を果たしたのは、28サンチ砲でありそれを推進したのはある技術将校でした・・・

こういった内包されたドラマが読者に知的興奮を与えながら、軍事的知識皆無である私たち日本人に塹壕戦の知識も与えてくれます。

この時代の知識を現代にそのまま援用することは無理がありますが、例えば、イラク戦争でイラク軍があれほどあっさりと降伏してしまったことの原因を考察する上でのヒントになるかもしれません。

関係ないことですが、NHKスペシャル大河ドラマ『坂の上の雲』2009年秋からとは待たせますね。
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23 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
読み応えがあり、その自説もわかり易く納得行く内容で、とてもいい本でした。

まさに「坂の上の雲」や映画「二百三高地」ではわからない旅順戦の詳細や

取り巻く時代や環境の解説もよく、他の歴史的な要塞・塹壕戦の事例も挙げて

解説しているので、気持ちが萎える事なく一気に読める良書だと思います。

但し、本の前題からもわかるとおり、司馬史観の打破が命題ですので、彼の

作品からの文章引用とその批判が延々と続くため、私のように"すばらしい

創作の英雄伝"程度しか思っていない、または興味がもともと無い方には、

ちょっと内容の魅力が減ってしまうかな、と思いましたので、評価をひとつ

下げました。

改題を機に、ボリュームもありますので、自説と批判を2冊に分けてそれぞれ

加筆して出せばよりよかったのかなぁと思ったりします。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By じゃが〜 トップ500レビュアー
形式:文庫
 別宮暖朗による「坂の上の雲では分からない」シリーズの紹介第2弾です。『「坂の上の雲」では分からない旅順攻防戦』としてハードカバーで発売された本が単行本で改題されています。
 坂の上の雲での乃木将軍は、「旅順要塞を陸軍は気にしていなかったが海軍が旅順艦隊を壊滅してくれと要請したから、乃木将軍の第三軍を編成した。海軍は別に無理に旅順要塞を落とせと言ったわけではない。乃木が戦下手であったために、無駄に突撃して将兵を死なせた。203高地を占領して始めて旅順艦隊が観測でき、砲撃により撃沈できた。」)等々、あらゆる罵倒を浴びせられるのです。この戦場で乃木将軍は2人の男子を失い、自宅は投石される嫌がらせを受けました。嗚呼。

 これに対して別宮氏は、「第三軍は一刻も早く満州の決戦に合流せねばならなかった」、「しかし旅順要塞があればバルチック艦隊に制海権を脅かされ、陸軍への補給は絶たれる」、「この時代の要塞(トーチカと塹壕)は歩兵の突撃でしか突破できない」、「塹壕戦では消耗戦になるのは当たり前(日露戦争の10年後の第1次世界大戦では欧州初めての塹壕戦となり、突撃が無くても1日に3千人が死んでいた)」、「大本営は旅順要塞を過小評価していた」、「203高地を占領した時には旅順艦隊は既に破壊されていた(自沈含む)」、「旅順が顕在であったら、ロシアが講和に同意したか」と反論します。
 かなりハードな説明が随所に見られるので、読む場合は気合いを入れて下さい。
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