広州周辺を旅行するので、そのあたりに一番詳しいガイドブックを探していた時に、本書と出会いました。香港・マカオ、上海のガイドブックは沢山出版されていますが、広州はそれと比較して訪れる人が少ないのでしょうか、類書が無い中で本書の出版は評価できます。
実際、これを片手に観光地を廻るにはオールカラーで上質紙を使用していることもあり、少し重いでしょうが、行く前に現地の歴史や土地の意味合いを知っておくことで深まりがまた違うでしょう。
「旅名人ブックス」のシリーズは旅行の手引ではありますが、読み物としてもしっかりと書かれており、読み応えがあります。写真も豊富で開平の世界遺産でもある自力村・立園や、新婚カップルに人気のある沙面などの有名な観光地は見開き2ページの写真で掲載してありました。
アヘン戦争、太平天国運動、孫文と中国革命など、中国近代史をたどる時に、この地域で起こった出来事が、その後の激動の時代にどのような役割を果たしたかを旅人は知る必要があるでしょう。たとえすぐに他の町へ旅立つとしても。
54ページの「アヘン取引の“裏舞台”となったマカオ」のコラムで、イギリス東インド会社にとってマカオがアヘン貿易の前線司令部であったことを知りました。カーサ庭園をたどる時にそのことを知っておくとまたこの土地の歴史の重みと苦悩を知ることになるでしょうね。
本書の内容の一部です。広州市内(広州、沙面、広州市花都区ほか)、広州周辺(佛山、肇慶、珠海)、開平(開平ちょう楼、自力村、立園ほか)、広東料理を味わう(新しい料理の創造に、常にどん欲な広東広州料理は「伝統はあるが正統はない」ほか)、旅の便利帳など。