このシリーズはガイドブックとしての位置付けなのだろうか?本篇も、おそらく観光局か航空会社のアゴ・アシ付き訪問で、現地ガイドとの脳天気な会話を本文に織り交ぜたものだが、もっと客観的記述が欲しい。そして、くすんだ写真の弁解に、取材時の悪天候を挙げているが、それなら、きちんと著作権明記の上明瞭な写真を借りるべきだろう。
また、ブリュッセルを紹介する上で、1958年万博の際に造られた、巨大な鉄の結晶構造を表したアトミウムの写真が1枚もないことは、やはり画竜点睛を欠く、と言わざるをえない。さらに、都心のレストラン街に当たるイロ・サクレL’Ilot Sacre地区に言及している。これは俗称であり、正規の市街図には収録されていない名称であることも地図上に位置表示の上明記する必要があろう。
もう一つ、ベルギーによるアフリカ・コンゴの植民地としての領有に言及する中で、「搾取」との用語が出てくることは、日経サンとしては面映ゆいことなのだろうか。
なお、本篇に限らないが、地図の扱いが粗雑と形容したい程で、本文中に採り上げられた物件の、地図上位置の検索に苦労する。これは、例えばベデカーや、元気な時代の緑のミシュランと較べて大きく劣る点で、その意味では「旅迷人ブックス」とも称するべきものであろう。