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話そのものは昔のものなのですが、導入初期の「機械が信用できない職
員たち」のエピソードやユーザーと開発部門との板挟みになる「国鉄通
信課」のエピソードなど、現在のシステム開発の現場にもそのまま通じ
るであろう様々な問題点をどのように解決してきたのか、実際の現場で
も参考にできる箇所がたくさんあると思います。
また、開発中の現場の緊張感、システム移行作業時/テストの苦労など
の「泥臭い」現実を、今後この仕事を目指す人にわかりやすく説明する
こともできるのではないかと思います。
これは思いつきですが、マルス1のシミュレータをパソコン上で作って
みる、などという研修などもやってみると面白いかもしれません(中級
者なら通信部分なし、上級者なら通信部分も作ってみるとか。グループ
実習になってしまうかもしれませんが... 多少は簡略化しないと難しす
ぎるかな...)。
コンピュータシステム黎明期の技術者たちの苦労を改めて知ることで、
私も含めた現在のシステム開発の現場は、強力なハードウェアや通信イ
ンフラに頼ってしまっている(ハードウェアを使いこなすのに精一杯に
なってしまっている)部分が大きいのではないかという思いを強くする
と共に、もっと技術力を磨いていかなければいけないと感じました。
なお、鉄道マニア(とは言っても私は模型がメインですが)的にも、興
味深い資料として参考にできるでしょう。
余談ながら、個人的には、M型端末のパタパタ入力装置やL型端末等で
発券された薄い緑色の連帳用紙切符などが印象に残っています。
また、平成になってからもダブルブッキングに遭遇した事のある身とし
ては(西日本の駅で東海会社の乗り継ぎ有りの切符を手配したので仕方
ない面もあるのかもしれませんが)、やはり大規模システムの開発・運
用は難しいものなのだという事を強く感じます。
なお、専門用語や図表などについて多少説明不足の感はありますが、こ
の本は開発技法の本ではないので、そこは別の機会にフォローすると考
えれば、非常に使い勝手のいい本だと思います。