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旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる (岩波ジュニア新書)
 
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旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる (岩波ジュニア新書) [新書]

近藤 雄生
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

将来への不安や悩みを抱えながら海外へ旅立った若者がオーストラリア、ユーラシア大陸、ヨーロッパ、アフリカへと続く5年半にわたる旅で体験し、学んだものは何だったのか。国家に抗して小さな独立国を作った農民やある目的のために路上で楽器を弾き続ける老人など、旅で出会った様々な人々の姿を通して「生きること」の意味を探る。

内容(「BOOK」データベースより)

もっと自分らしく自由に生きてみたい!生き方はいろいろあっていいはずだと海外に旅立った著者は、5年以上におよぶ旅で何を感じたのか?夢を追い続ける人、自分の道を切り開こうとする人、どうにもならない大きな力によって人生を動かされている人…、各地で出会った様々な人の姿を通して、自分らしく生きるための道を探る。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2010/4/21)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4005006531
  • ISBN-13: 978-4005006533
  • 発売日: 2010/4/21
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yahoi
形式:新書
とても読後感の良い本でした。

これから世界を見たいと思う人、自分の夢をどう実現しようかという迷いのある若者にお奨めです。世界のなかの今の自分の位置づけを見極めるためにも役立つと思います。全体を通したエピソードのどれにも、著者の伝えたいメッセージがこもっていて、共感を呼ぶ内容でした。この読者ターゲットを中高生に絞っているあたりにもさらにエールを送りたいと思います。

著者の体験を読むことで、日本的な価値観が、絶対的、普遍的、また不変的なものではないことが、日本の外に出たことのない若者にも手に取るようにわかってくることでしょう。そして、グローバルな目で見れば、人の生きかたに枠などないことが見えてくるかもしれません。

たとえば、オーストラリアでイルカの保護のボランティアをする著者が、次の章では、インドネシアの捕鯨村の様子を伝えていますが、同じ「イルカ」にスポットをあてながら、国のちがい、文化のちがいを浮き彫りにすることで、「イルカの在り方の違い」が明確になります。特に、捕鯨に関してはいろんな論争がある昨今ですが、これは「論争」そのものに意味がないことを突きつけてくれるようなエピソードです。

ものの見方が必ずしも「正解」「不正解」で解決できないことは、今の地球には確実に存在します。著者にそのつもりがあるかないかはわかりませんが、ひとつのバリューにしがみつき他を優劣、善悪で判断を下すことに警鐘を鳴らされたような気さえします。いろんな違いを「理解し受け止めること」は容易いことではありませんが、平和のために、世界にはあきらかな「違い」が存在することを知ること、知ろうとすること、それをお互いにリスペクトすることがいかに大切かというメッセージを残してくれます。

また、著者が旅先で出会った、自分らしい生きかたを実践している日本人の紹介をしている部分にも、とても好感が持てます。自分がしたいことを追求し、その目標に向かうために努力している人に著者が出会い、「その人たちのことを伝えたい気持ち」が、著者の目標である「書くこと」に繋がり、こうしてカタチとなったこと、心から拍手です。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
今の日本の閉塞感、若い人たちの暗い未来感を打ち破ってくれるような本です。とても分かりやすく、語りかけるような文章で、世界の色々な生き方を紹介してくれます。勉強して、いい学校を出て、いい会社に就職するだけが人生の選択肢ではない、もっと広い世界があるのだということを、若い人たちに知ってほしいと思います。

私自身、そんな選択肢があることを、高校か大学の時に気づいていたら・・・。家庭があり、子供も2人いる私には、すでにこういう選択肢を選ぶことはできないステージに来てしまっているのでしょう。自分の子供には、もっと自由に生きてほしいと思います。

でも・・とタイトルにつけたのは・・。著者のように旅に出て、世界各地で「沈没」してしまったり、年を取って日本に帰ってきても、特殊技能も就職先も何もなくて途方に暮れている人もいるのではないでしょうか。若い間はなんとか食べていけても、年を取ったり体を壊したりしたら生きていけるのか?子育ては?年金は??などとも考えてしまいます。だからこそ、若い人に安易に薦められないとも思います。

そんな風に悩み、視野を広げてほしいという気持ちも持ちながら、自分の子供には「勉強、勉強」と言い続けてしまっています。世界旅を成功させた著者には、自由に世界を見つつ、将来も生きていけるような道も示してほしいと思いました。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
良い本だと思った。作品全体から、文章の一字一句から、著者の根底にある優しさや人をいとおしむ気持ちのようなものがにじみ出ている。中高生を対象にした教育的要素の強い指南書という位置付けであるがゆえに、比較的平易な文体で綴られているわけで、もちろん、それがそのように感じさせていることを否定はしない。しかし、それだけではないような気がする。

著者は間違ってもショッピングやグルメを目的に旅に出たわけではない。史跡・景観めぐりに感動したことも多々あったろうが、それが旅の核心であったわけでもない。旅を通じて鍛錬や試練めいたものを己に課していた、という要素も(皆無ではないかもしれないが)感じられない。

旅における著者の好奇心や探究心の対象はあくまでも人である。人と触れ合い、その触れ合いを通じてその人物の背後に存在するもの(あるいは隠されているもの)を五感で感じ取っていく。それに付随していく形で、最終的にはその国の歴史や文化をも深く抉り出していく。著者にとっては、主役はあくまでも人であって、国の歴史や文化を体得することさえも副次的な産物にすぎないように思える。

そんなわけで、この作品の主役もエピソードに登場する旅先で知り合った個性豊かな人々であり、決して著者自身ではない。著者にとっては今もなお、いとおしい人々なのである。その熱い心情が作品全体に散りばめられているのである。

さて、本作品では9つのエピソードを通して、民族、環境、戦争、日本人観、宗教など、多種多様な話題や社会問題を扱っている。中高生には十分であるかもしれないが、量的に少し物足りなさを憶えた。もう2〜3のエピソードを盛り込んであった方が、量的な満足感も得られたように思う。

「旅に出よう」というタイトルだが、これを見たとき、即座に「何でも見てやろう」(小田実)を思い浮かべた。半世紀も前に出版された旅行記であり、一世を風靡した名著であるが、今でもなお、時代を超えて若者の好奇心を触発し続けており、その魅力はまったく色あせることがない。ではなぜそれを思い浮かべたかというと、両者の共通点、つまり(良い意味で)泥臭いタイトルが心に響いたからである。

半世紀前に「何でも見てやろう」という泥臭いタイトルが若者にどのような印象を与えたかは定かではない。しかし現代において「旅に出よう」という泥臭くシンプルなタイトルは、むしろ新鮮さと一種の驚きをもって若者に迎え入れられるような気がする。逆にいえば、このタイトルに食指が動かないような若者は、著者の有する世界観におそらく共感することができないのではないだろうか。

「旅に出よう」とは対照的に、「何でも見てやろう」の主役は間違いなく著者の「小田」自身であった。これでもかこれでもかと多くの奇抜で個性的な人物が登場するにもかかわらず、不思議といつのまにか、その強烈な個性と圧倒的な存在感を発散させながら小田自身がページを支配している。

次は小田ばりに「近藤」自身が主役に君臨する作品を読んでみたくなった。
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