この本は今から370年ほど前に著されたものですが、近代学問思想の原点が示されている古典です。
もともと、当時のいわば先端科学技術に関する主著である「屈折光学」「気象学」「幾何学」の序として著されたもので、デカルト自身が、「この序説が長すぎて一気に読みきれないといけないから六部に分けてある(そんなに長いとは思えないのですが)」、と書いてあるほどですから、何が書かれているかは比較的容易に理解できます。
しかし、その内容は、広く「何が真理で何が偽物なのか」について考えるための思想書で、その中身は、近代哲学の原点を含んでいるともいえると思います。
本書の性格上、デカルト思想のダイジェスト的なものですので、その思想をさらに深く理解するには、或は、書かれていることの根拠を知ろうと思えば、「省察」などデカルトの別の著書を読む必要があると思います。
例えば、数学を用いて物理学を研究すると何故真理に到達しうるのか、とか、何故(誠実な)神が存在すると信じるのか、とか、諸々ですが、その場合においても、結局デカルトは何がいいたかったのか、或は逆に、そう考えようと思ったのは何故なのかを知るための、ガイダンスとしても役立つと思います。