本書の売りはなんといってもスキットにあると思う。
今まで例文で単語を覚えたことはあったが、ダイアローグを使ったことはなかったので新鮮だった。しかし、それだけで終わらないのが本書の凄いところだ。
ABAかABABくらいの短いダイアローグがそれぞれ完結しているのかと思いきや、本書のダイアローグは3〜7個ぐらいがつながっていて、一つのシチュエーション(面接、出張、昇進etc.)になっている。さらにそれぞれのシチュエーションがつながり合って一つのストーリーを構成しているのだ。
話は外資系の香水会社のビジネスストーリーなのだが、場面設定や話の展開などがかなりリアルで、登場人物のキャラ設定も非常によく出来ている。
まるで小説を読んでいるかのように、話の続きが気になって、どんどん進むことができた。
オススメのキャラはMartin。かなりいい味を出している。彼がどんな人なのかは読んでからのお楽しみに。
それにしても、TOEIC頻出の1000語を250のダイアローグにもれなく埋め込んであることには驚いた。派生語やコロケーションとして紹介されている800語を含めると、計1800語をこの一冊で学ぶことができる。
ただ、ちょっと気になったのは、頻出単語ばかりを集めているからか、難単語はあまり掲載されていないので、TOEIC900点以上を目指した語彙力をつけるには、ちょっと物足りないかもしれない。その辺は続編に期待というところだろうか?
しかし、この1800語をしっかりマスターすれば、TOEIC700〜800点くらいは取れるようになるはずだ。
使い方としては、とにかくスキットを何度も音読&シャドーイングして、ストーリーの流れとともに語彙を体に染み込ませるようにしたい。そうすれば、語彙を効率的に覚えられるだけでなく、リスニング力やスピーキング力も同時に鍛えることができる。
無味乾燥になりがちな単語集にストーリー性を持たせ、スキットに命を吹き込んだ点は圧巻だ。TOEIC単語集としては、まだ他に類書はないと思われる。
つまらない語彙学習を楽しいものにしてくれる本書を、特にTOEIC700点以下の方にぜひオススメしたい。