香港の王護衛会社は、最新の警備システムを取り入れているのが売りの警備会社。
隊長のブー(マイケル・ホイ)は、鬼のしごきが有名で、部下たちからは嫌われている。
ちょうど、その頃、社長の息子、ファン(フォン・ツイファン)が英国留学から戻り、自社の
現場を知るために、身分を隠して入社する。何も知らないブーは、例によって、ファン
をしごき、数々のインチキな警備術を教え込むのだが…。
80年代に入り、「新」と冠したMr.Booシリーズ(ではないのだが)の第1弾。淀みない
語り口、ギャグの洪水…すべての要素がバランス良く配合された、まさに円熟とも
いうべき域に達したホイ兄弟の傑作コメディだ。日本劇場公開作としては、ホイ3兄
弟共演最終作となってしまった。社長役として、ホイ兄弟の実父がカメオ出演。
黄金のアンサンブルともいうべき、3兄弟の共演がまず素晴らしい。強い者には媚
びへつらい、弱い者には威張り散らすマイケル、何をやっても抜けているが、心や
さしいリッキー、ハンサムで正義感の強いサミュエル…という、いつもながらの、し
かし、より磨きのかかった3人のキャラクター造形と掛け合いの愉しさ、面白さ。全
シリーズの中でも、最も計算され洗練されている印象だ。そして、警備というシチュ
エーションから生み出されるギャグの数々。思わずクスリとしてしまうものから、爆
笑してしまうものまで、マイケルの手練手管の笑いの演出(小道具の使い方も巧妙)
には唸らされるばかりだ。また、笑いの中に、貧しい難民のエピソードもサラリと脚
本に盛り込むあたりの、マイケルの社会派としての厳しい視点と意識も侮れない。
香港コメディの泥臭い良さを少し残しつつも、より洗練された味わいの笑いへと昇
華した、シリーズ屈指の出来だ。
本DVDは、2005年にユニバーサルから発売された盤同様、香港Fortune Starの
デジタル・リマスターされたマスターを使用したもの。色乗りの良い画質だ。特典に
は、 Mr.Booシリーズの予告編集とリッキー・ホイのバイオグラフィー(テキスト)が収
録。そして、広川太一郎氏の絶好調の吹替え(「このミソがね〜」)のおかしさは、も
はや神がかっている。