黒川紀章氏による「共生の思想」の集大成。
実際「共生の思想」に関する著書は3種類あり、最初の著書「共生の思想(1987年)」に中間領域論や聖域論が補足され、「意味の生成へ」という新しい章が追加されたものが「改訂版 共生の思想(1991年)」。さらに全体の章の構成を再編成し、これまでの文章にも手を加え、「まえがき」「二十一世紀の世界新秩序としての共生」「機械の時代から生命の時代へ」「経済における共生」「共生の条件」「アブストラクト・シンボリズム」「アジアの共生」という章を新しく追加したのが「新・共生の思想」。
本書の要約は「共生の思想(1987年)」に譲ることにするが、昨年「共生新党」を設立して政界進出を目論んだだけあって、内容の是非は別として「政策」とも言えそうな内容にまで言及されている点は、射程の広さを感じさせる。現代の建築家でここまで広範囲に論じられる者はいないだろうと思わず感心してしまう。
ただ、その思想の壮大さが実際の作品にうまく反映されていないように思うのが誠に残念・・・