江戸時代に、杉田玄白が著した『蘭学事始』は、ほとんど知識ゼロの状態から西洋医学書『ターヘル・アナトミア』の翻訳に挑んだ男たちのドラマを描いた、気概あふれる古典である。その面白さ、読みごたえは、数ある古典の中でも指折りであり、まさに江戸時代の「プロジェクトX」をあざやかに描写しているといえる。この『蘭学事始』を明治期に読んだ福沢諭吉が、先人の偉業に感服・感泣し、自費での活字化を成したというエピソードもあるほどである。本書では、現代人の読書感覚に合うよう、あくまでも江戸時代人向けに書かれた本文を、あえて注釈など読まずとも理解できるよう工夫を凝らした大胆な現代語訳に仕立てた。玄白の人柄までが、ストレートに伝わる感のある、古典ファン必読の一冊。
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