題名は「新選組血風録」ですが、実際のストーリーは「血風録」と「燃えよ剣」とオリジナルを足して3で割ったような感じです。
ほぼ時系列順に構成されていて、「血風録」で描かれているような隊の日常のエピソードは主にDVD4巻まで。5巻の山南脱走・油小路以降、6巻の鳥羽伏見、7巻の流山・箱館へと続く流れは、原作の「燃えよ剣」の方に近いです(つまり涙なしには観られない・・・)。
脚本も演出も大変素晴らしいですが、なにより俳優陣が主役・脇役共にすごくいい。
なかでも土方役の栗塚さんは格別で、実物を観ているように錯覚しそうでした。
これで当時28歳の無名の役者だったとは驚きです。
またこの作品は、俳優のまとう空気、服のみだれ具合、滴れ落ちる汗、京の町の雰囲気まで驚くほどリアル(箱館シーンだけはもろにセットといった感じでしたが)。
油小路の決闘シーンなどはまるでタイムスリップして自分も現場にいるかのような気分になり、時代劇を観てこんな風に感じたのは初めてでした。
全く古さを感じさせないどころか、今の時代では決して作れない何かがここにはあるような気がします。
おそらく今よりずっと幕末に近い昭和40年だからこそ、そして時代劇が全盛の時代だからこそ生まれた、そんな奇跡のように感じる作品です。
そんな作品を平成の今DVDで思い切り堪能することができるとは、なんという贅沢でしょう。
古い作品だし白黒だし・・・と躊躇される方もいるかもしれませんが(私もそうでした)、騙されたと思ってぜひ観てみてください。
原作ファンでこれを観なかったら一生の損失ですよ。