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新説 桶狭間合戦―知られざる織田・今川 七〇年戦争の実相 (学研新書)
 
 

新説 桶狭間合戦―知られざる織田・今川 七〇年戦争の実相 (学研新書) [新書]

橋場 日月
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

織田信長が天下布武へ向けて歩み出す契機となった桶狭間の戦い。強敵、今川義元を圧倒的不利な状況で奇襲により葬り去った。現在そのように説明される通説は本当なのか。諸文献を読み解き当時の織田、今川の状況をグローバルな視点で見つめなおすとき、局所にこだわっていてはわからなかった実相が見えてきた。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

橋場 日月
大阪府出身、関西大学卒業。日本戦国史をメインに作家活動をおこなう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 253ページ
  • 出版社: 学習研究社 (2008/09)
  • ISBN-10: 405403909X
  • ISBN-13: 978-4054039094
  • 発売日: 2008/09
  • 商品の寸法: 17 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 210,417位 (本のベストセラーを見る)
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27 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
「桶狭間の戦い」は、幼い時分に衝撃的なインパクトを受け、以降、歴史に興味を持った大きなきっかけとなった出来事だけに、今まで何冊かの本を読んできたが、本書は通を唸らせるだけの考証・人間関係・心理描写が綴られていると思う。豊明市在住の友人によると、本書は地元の書店では平積みで置かれているとのことであるが、定説の桶狭間本に飽き足らない人、また、疑問を感じている人にも新鮮な驚きを持って読める内容だと思う。迂回攻撃か正面攻撃かという方法論を軸に、この戦いに関しての本を何冊も刊行している某教授の著作の内容が薄っぺらいものに感じるほど、特に、当時の尾張・三河国境地帯の検証が分かりやすくなされている。前述の友人宅に行く機会に感じることであるが、古戦場付近である豊明市の丘陵は起伏に富んだ地形である。本書では略図に示して解説を試みる箇所が多いが、地元で語られている地名の由来などとも合致しており、この辺りの様子を十分に実地検分されていることが感じられる。本書が、時代研究の第一人者と目されている教授や有名作家の手によるものではないことに「これだけの考証・推察・持論ができるんだ」という驚嘆・衝撃・称賛の念を感じた。このところメディアでも歴史ものが取り上げられる場面が多いが、名が通った人の論や講演ばかりをありがたがる風潮ではなく、このような本や、ていねいな歴史(実地)考証をしていることにスポットライトが当たることを願う。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
内容は他のレビューの通りですが、他の研究者を尊重した文章なので、他の論説が好きな方でも嫌な気にならずに読めると思います。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
この書は"織田・今川 七〇年戦争の実相"とあるように織田・今川・松平それぞれが尾張・三河で行ってきた抗争を広域の歴史として説き起こし、逐次解説することに本の半ば以上が割かれている。桶狭間の戦いというのはそうした巨大な歴史として続いてきた積み重ねの中で発生した一極点の現象であり、全体的な背景の把握なくしてこの現象の理解ができないことを思い知らされた。

信秀系の織田氏がまさにそれに拠って勃興したように、織田・今川戦争は究極的に伊勢湾利権を巡る争いであり、永禄三年の進出は尾張西南〜長島の一向宗系勢力と連携しての海上侵攻・攪乱作戦だったというのは驚きだ。

参照する資料も信長公記だけに偏ることはなく、軍記から一次史料の文書まで幅広く、常にそれぞれの史料に対する適切な批判的視点を持ちつつ参照しており、特に関係地の地名に対する正確な知識が別働隊の攻撃を傍証する決定的証拠となる。

なぜ山口教継が粛正されたか、なぜ織田方の水野氏が真っ先に今川遠征軍に潰されなかったのか?それは松平氏も含めた境目に生きる国人達の二股外交を見ていくとよくわかり、同時に背後から攻撃を受けた今川軍があっという間に崩れた原因をも教えてくれる。伝承で謳われてきたように、たしかに桶狭間は今川方にとって奇襲だった。そして信長にとっては、もっとも得意な作戦と組み合わせた正面攻撃だった。桶狭間で信長が取った作戦は、姉川、長篠とその後信長が直接指揮する戦で何度も用いられていくことになる。

桶狭間という瞬間で見るのではなく、長年続く戦争の一部としてこの現象を見ることで、歴史的事件はそれぞれの時代やplayerが連綿と続けてきた事の上に成り立つものであって、決して偶然ではないことがよくわかる。これまでの桶狭間という小さい現象だけを見て想像したり、何かを否定したりというのがすべて吹き飛んだといっても過言ではない。

一つだけ欠点を言うと、わかりやすくしようとしたり印象づけようとしたいのだろうが、やたらと浅薄なカタカナ英語を使うのは軽薄で文・論の価値を貶めているだけ。
この点☆四だが、内容が素晴しいので満点。
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