佐々木高政先生の本といえば、和文英訳の修業が有名で、私は、高校生のときに散々取っ組み合った経験があります。以後15年を経てこの本を見つけて購入しました。中身を見ないでも佐々木ブランドならば間違いあるまいと思っていたところ、予想を上回る内容でした。一般的な学習参考書的意味からすると、解釈、というのをはるかにはるかに超えています。味読という言葉がありますが、実際にそれはどういうことなのか、なかなかわかりませんでした(それは日本語についてであってみても)。
本書で佐々木先生が示しているのが一つの味読のスタイルであろうと思います。
大学受験向きでないことは明らかであり、はしがきでも誰を対象にしているかは明示していません。ただ先生は書かずにおれなかったと述懐しています。そういう切実な本にはなかなか出会えないだろうと感じ入りました。手元のものは04年の14刷り(80年が初刷り)で、硬派な本がまだまだ世にはあるものだなぁとおもいました。少しでもほしいと思ったら、絶版にならないうちに買っちゃわないといけないと思います。