前半3分の2は夢研究の歴史と科学的解釈。のこり3分の1からさらに面白い。
明晰夢をみれる人がいる、明晰夢とは夢の中で自分が夢の中にいるというのに気がつくことで、さらに夢の内容を意識的に変えたりすることができるらしい。これは普段からの意識の持ちようでみれるようになるらしいが、経験者は高揚感、深い気づき、などの体験をするらしい。
チベット仏教では明晰夢を修行の一環に採りいれて、夢をコントロールしている。夢を見ているときも起きているときも、人生はあらかた幻にすぎないことを、常に自覚している境地にいたることが、悟りを開くことだとしている。
睡眠中は理性の領域の活動が低下し、神経伝達物質(ドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニンなど)のバランスが変化し、外部からの感覚が遮断され、脳にとっては自由な環境になり、覚醒時にはとうてい思いつかない連想をする。夢から得たアイデアや芸術や理論などの逸話は数限りなくある。脳とのつきあい方でこれらを引き出したいものだ。
最終章は意識のいい加減さについて、全ての感覚器からの電気信号は、脳内で一度処理されてから意識の上にあがる。だまし絵や錯覚からもわかるように脳はそうとう勝手に処理したり、既成概念からの思い込みをしている。脳内には過去の経験から多様に関連づいたマップが出来上がっており、それに基づいて視覚イメージをつくりあげる、同じ月を見ても人が違えば違うモノにみえる。
意識にはあがらない脳の仕事は95%にもなるという解釈もある、意識やコントロールの及ばない活動をしている神経系を「ゾンビ・エージェンシー」と呼ぶ、無意識に行う、感覚器からの信号の処理、指を動かす筋肉の制御、呼吸、心臓の鼓動、その他もろもろを同時にいくつもこなす。自分の事をわかっているつもりでも意識は5%しかないとすれば、オマケみたいなものだ。
夢の研究は、「意識とは何か」「私とは何か」に密接につながっており、ここ20年くらいの発達はめざましく、みんなの常識をひっくりかえす発見がすぐ近くにあるかもしれない!今後の展開に期待したい。