「コンベアのスピードにあわせることに全精力を傾ける」。これがトヨタ式の本質か。
自分の勤めている会社と比べてみると、自分達はいかに手が止まる機会が多いか痛感する。
筆者自身の体験に基づく手の痛さ、体の辛さを描く文章は実にリアルである。
安全が標語から抜けている、社会費用を負担しない等のうなずける点が多々あり、懇親の力作に引き込まれた。
長く読み続けられるには、ちゃんとした訳があるのだ。
だが派遣に対する見解には批判したい。
待遇の話が出てくるが、同一労働同一賃金を阻んでいる一因は他ならぬ組合自身(トヨタの組合ではない)、
すなわち正社員の恩恵を受けている人達であることに触れていない。ここを無視して派遣を含めた非正規の待遇改善の道は開かれない。
それから秋葉原で起きた無差別殺人事件。被告が派遣社員だったことに触れているが、要因のひとつではあろうが原因ではない。
被告のパーソナリティの問題である。この理屈でいくと派遣切りにあった人は犯罪者になるのだろうか。