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新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち
 
 

新薬誕生―100万分の1に挑む科学者たち [単行本]

ロバート・L.シュック , 小林 力
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

100万分の1とも言われる医薬開発の成功確率。この可能性に賭け、見えない航路を目指す医薬品研究者たち。膨大な時間と人と英知をもって生まれる奇跡の薬。知られざる製薬開発の現場を詳細な取材から描き出す、プロジェクトXの製薬版!
世界的に有名なブレークスルー薬、7つの開発物語。


目次
第1章 エイズと闘う――ノービアとカレトラ
アボット
第2章 心の病から人生の再出発――セロクエル
アストラゼネカ
第3章 本物に勝った人工インスリン――ヒューマログ
イーライリリー
第4章 喘息の辛さを救った薬――アドエア
グラクソ・スミスクライン
第5章 奇跡のバイオ医薬品――レミケード
ジョンソン・エンド・ジョンソン
第6章 癌治療の扉を開く――グリベック
ノバルティス
第7章 世界一の薬はこうして生まれた――リピトール
ファイザー

内容(「BOOK」データベースより)

成功確率が限りなくゼロに近い医薬品の開発。この可能性に賭け、見えない航路を目指す研究者たち。膨大な時間と人類の英知から生まれた薬は、多くの人の命を救った。七つの奇跡の薬がいかに開発されたか。知られざる製薬開発の現場を詳細な取材から描き出す。

登録情報

  • 単行本: 467ページ
  • 出版社: ダイヤモンド社 (2008/7/4)
  • ISBN-10: 4478005508
  • ISBN-13: 978-4478005507
  • 発売日: 2008/7/4
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.2 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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23 人中、18人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
【要約】新薬の研究から開発までの流れを、(良くも悪くも)プロジェクトX風に書き上げた本。

【読みどころ】世界の名だたるブロックバスターの研究・開発の経緯を浅く知ることが出来る。特に、プロジェクトの困難(毒性・物性・予算・経営陣との交渉)を、苦労しつつも1つずつ乗り越えていく様は非常に痛快である。私は企業の研究者だが、この本からブロックバスターのぶつかった障壁を知り、どんな薬にも障害はつきものであることに勇気づけられた。そして、研究者の熱い思いや研究に対する自信が重要であることを再認識できた。

【問題点】しかしながら、私が星5つをつけなかったのは、この本の難解さが理由である。内容は平易なのだが、製薬業界特有の言葉がちらほら見られるため、高校生などには不向きである(例えば、薬の『研究』と『開発』の違いが分からない人には不向き)。一応用語には説明があるが、2度目以降はほとんど断りがない。またプロジェクトがぶつかった問題について、どういう問題なのか、なぜ問題なのかが理解できないと、この本の面白みが半減してしまう点も残念である。

【その他】
・対象は、製薬企業研究者、国立の薬学部生、製薬企業に勤めたいと思う人などが最適であろう。最も適しているのはおそらく製薬企業研究者。
・日本語訳は良い。原著に忠実でありつつも日本語として読めるレベルであろう。
・日本人はほとんど出てこない(2〜3人に対し、わずかな記述がある程度)。
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By Heidi
形式:単行本
英文原書「Miracle Medicines」は2007年に出版。その邦訳が本年7月初旬に
出版された。致死的な難病に苦しむ患者の命を救った7つの代表的な「奇跡の薬」を創り出した人々(科学者、臨床医、製薬会社)の英知と執念を描いたドラマ集である。訳者は、東大薬学部出身の薬学博士で、製薬会社の研究所勤務。著者は米国の文系(ノンフィクション)ライターであるが、本書のサイエンス面の記述も正確である。訳者自身があとがきでも触れているごとく、本書を読んで、私が感じた第一印象は、「製薬企業を少し褒め過ぎている」であった。7つの話ともNHK「プロジェクトX」のごとき、困難・努力・成功といった「美談」ばかりだからだ。

業界を熟知している人々は私自身を含めて、「新薬開発の実状は、そんな感動ド
ラマばかりではない」「現実の企業人は、そんなに立派ではないし、もっと泥々
としている」と批判したくなる。確かに、企業人をきれいごとのみで語ることは
不可能である。しかしながら、金儲けだけでは説明できない、先端科学に挑戦す
る人々、また苦しむ患者を助けたいと熱望する企業人が、少なからず存在するこ
とも事実である。本書は、そういう、いわば「例外的な」7つの成功例(美談)
だけを選り抜いて収録したものである。もちろん、「失敗例」ばかり載せても、
本は売れない。

この訳本の副題は「百万分の一に挑む科学者たち」である。新薬開発の成功確率
は、現在「百万分の一」以下である。つまり、百のプロジェクト・チームが各々
一万の化合物を合成しても、その成功率は、一以下であるというのが、厳しい現
状である。それに負げず、努力と運を持ち合わせた企業やプロジェクトが少なく
とも7つ、新薬を最終的に市場へ出すことに成功した。

本書の第6章に登場する世界最初のシグナル療法剤「グリベック」(癌治療の扉を開く)は、その代表的な例であり、かつ科学的にみて、最も痛快な発明の例である。数年前、スイスの製薬会社「ノバーチス」から市販された稀少難病「CML」(慢性骨髄性白血病)に効く新薬「グリベック」の開発には、その病因 (「ABLーBCR」という染色体上の遺伝子融合) が判明してから、半世紀以上の歳月が費やされている。「ABL」と呼ばれるチロシンキナーゼの阻害剤である「グリベック」の開発には無数の人々が関与したが、その主役は「先見の明」があったノバーチスのアレックス・マターと臨床医のブライアン・ドルーカーであろう。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本|Amazonが確認した購入
7つのブロックバスター開発物語を通じて、製薬の舞台裏を詳細に描く作品。科学的にやや難しい内容も含まれているが、たとえ科学的に100%理解できずとも、製薬のダイナミズムが伝わってくる作品に仕上がっているのではないだろうか。

本書を読み終えて、科学の、そして科学者の仕事の素晴らしさを痛感する。しかし、あえて誤解を恐れずに言えば、革新を生み出す原動力は科学の知識そのものにあるのではなく、それを実現したいと願う多くの人々の情熱なのだと感じた。CEOに集めた署名を送る患者、会議でひざまずいて試験の承認を求める科学者、何千というカビを毎夜毎夜ひたすら調べあげていく研究者、例を挙げればきりが無い程に多くのシーンが本書で描かれている。

また、邦題での副題は「100万分の1に挑む科学者たち」となっているが、ここに描かれているのは決して創薬研究者だけではないことが、本書を面白くしている。精神病薬というこれまで自分達が手掛けてこなかった疾患領域で、ゼロから立ち上がったマーケティング部隊。承認と同時に新薬を供給できるよう、困難なバイオ医薬品の急増産に立ち向かう製造管理チーム等々、新薬を世に送り出すために奮闘している人々の姿を、製薬のバリュー・チェーンを通してドラマチックに見ることができる。

最後になるが、訳がとても良かった。製薬会社研究所に勤務するという訳者は、翻訳作業中で疑問を感じた点については原著を疑って確認したとのこと。原著の素晴らしい内容を損なっている残念な邦訳版が時として見られる中で、本書の訳は際立っていると感じた。
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