16分に1人が自殺
労働者4人に1人が年収200万円以下
国民1人あたりのGDP世界ランキング2000年第3位→2008年第23位
これはオビに書かれた文言の一部であるが、なぜ日本がここまで駄目になってしまったのか、その原因を経済・産業・科学技術・介護・貧困・地域衰退といった各分野を系統立てて分析し、処方箋を提案するという、まさに新「船中八策」という感じの好著。
医療・介護にしても、テクノロジー政策にしても、個別に見ると合理的な施策が、システム全体から見ると不合理をひきおこしている「合成の誤謬」といわれる事態が、日本の各分野にて進行し、悲鳴を上げている。
一度日本が抱えている問題を整理整頓した上で、大きな見地から考えなおしたい時に大変便利。
今の政治家全員にぜひ読んでもらいたい本だ。
ただ、問題は政治だけではないことも明らかとなってくる。たとえば、環境テクノロジーを軸に世界の覇権が争われているこの時に、製鉄や電力などの重厚長大産業が主導する経済界がことごとくその足を引っ張っていることも明らかとされている。日本はいつの間にかスマートグリッドも電力会社の「既得権益」を犯さぬよう矮小化され、環境テクノロジーは米国・ドイツ・中国が国家戦略としてデファクトスタンダード争いが繰り広げられる中、日本はすっかり取り残されてしまった。
そこで浮かぶ疑問は、「日本はもう手遅れなのか?まだ何とかなるのか?」ということだ。それは本書を読んで確認してもらいたい。