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もちろん、日頃読んでいる新聞がどのようにして作られるのか、その記者の仕事についていろいろと知ることができます。たとえば、記者クラブとか、報道協定はどういうものか、その欠点も含めてわかりやすく書かれています。
最大の特徴は、朝日新聞の論説委員、社会部長、出版局長などを歴任した著者が、ジャーナリズムの原点に立ち戻って「新聞よ、死ぬな」と、現代の新聞に警鐘を鳴らしているところにあります。そして産業としての新聞の衰退ではなく、ジャーナリズムとしての新聞の衰退を嘆いています。
戦後の新聞の反省から、湾岸戦争、同時多発テロ、イラク戦争と至る過程で新聞のジャーナリズム精神が如何に衰えていったか、読み応えあります。今日のようにテロの報復が繰り返される世界において、日本の新聞はどうあるべきか。非常に考えさせられた一冊です。
でも提言はしてるんですよね。新聞ジャーナリズムの在り方について。スター記者を作ろう、という呼びかけは特に私は賛同するところです。
たしかに玉木明さんなどが指摘しているようにジャーナリズムが産業として発展する段階において無署名であることは必然だった、という側面があります。だけれど、新聞の部数の伸びが頭打ちになった現状において面白い新聞を作っていかなければならない現状を考えたとき、このスター記者の育成というのは非常に有効な打開策だと思います。
文芸雑誌にしろ、漫画雑誌にしろ、誰それが書いている雑誌だから買うという人は結構多いはず。そういうノリで読者を惹きつけるということをそろそろ新聞社も考えてもいいんじゃないかな、とは一読者としても思うところです。
ただ問題点は、安易な大衆迎合に走る危険性がなきにしもあらずということですが・・・ まあこの点は記者に十分取材以外の勉強をさせるということでしょうか。欧米の一流のジャーナリストというのは、陳腐なマスコミ論ではなしに、政治学や社会学や憲法学で大学の講師くらいは務まる学術レベルにありますし!
とにもかくにも、生き残るためにまともな記者を育てよう、記者のレベルを底上げしようというのは正攻法だけに難しい点も多いでしょうが、現場サイドはぜひ頑張って頂きたいと思う次第。
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