出ました!文庫版第10巻。すごくすごおく楽しみにしていました。毎回カラーとデザインが個性的な新耳袋文庫版シリーズ。満を持しての登場です。
我慢してハードカバーの方はとっくに出ていたにも関わらず内容を読んでいなかったので、最終巻への期待は鰻上りでした。少しあっけない感じもしましたが、今回もまさに耳袋らしい怪談がこれでもかと読めました。
この新耳袋というシリーズは、ただ「怪談」というジャンルに置き去りにされるものではなく、文学として、本当におもしろいエッセンスをもっていると思います。たった1ページで、あるいはたった5行で、その行間で、底知れない恐怖、長引く余韻を感じさせる新耳袋は、まさに底なしの魅力にあふれていました。わざとらしく怖がらせる怪談物とは一線を画し、無駄な虚飾を省き、真実を追求し、気持ち良いほど簡潔だった短い話の数々。トラウマ級の威力をもったものも幾つか・・・。このシリーズが、終わってしまうのは、本当に悲しい。ここ何年も、このシリーズの新刊が生活のなかの重要な楽しみのひとつだったのに・・・。怖い怖いと言いながら、実際怪談慣れしている私がトイレに行けないくらい怖いシロモノでありながら、私は耳袋が心から好きでした。
これからも私のなかでは名著ベスト3に入ると思います。また同様のシリーズが展開されることを心から願ってやみません。