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ですが、絵本の要素はまったくなく、文字の羅列、頭注などが気になり南吉の描いたやわらかな世界が表現されておらず、とても残念です。
元々絵本ではなく童話だったといってしまえばそれまでですが、南吉の作品を長く愛読してもらうには美しい絵との相乗効果は必須だと思います。
そして更に失望したのは北川氏による作品解説です。童話が書かれた背景などの紹介を期待していたのですが、個人的見解が目につき、特に“ごんぎつね”のラストシーンの解釈に
「私は個体の死後の個性存続を信じません。死ねばその個体はおわり、あとは生きてるものが死を悼む気持ちになるだけです。」
との死生観の押しつけはとても不快でした。悲しい結末をどう解釈するかは読む人それぞれの心にゆだねるべきだと思います。同じ作品にふれても、そのときの年齢、状況で自分自身の中でも感じ方は変化するものなのですから。
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