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メジャーのスターになったイチローがどのようにして育ったのか?だれもが興味を持つところだと思います。本書ではイチロー本人はもちろん、その周辺の取材を通じて天才の生まれた様子を浮き彫りにしています。「初恋の相手は?」などというプライベートな面にも触れたりしているのが新聞記者らしいところでしょうか。イチローはあまりプライベートを開かさないそうですから、イチロー研究(?)には欠かせない一冊でしょう。
イチローの練習に毎日休まず付き合うことで自分の人生を犠牲にしたと書かれている父・宣之が、以下のように語る箇所がある。
「私たちの身体は、両親をはじめ、多くの人々、自然の恵みによって生かされている。それだけに、無駄の人生を歩めば、私たちの心を支えているすべてのものも死んでしまうということです」(57頁)
こんな説教臭い言葉も、イチローのために全てを捨てた父が語るとやはり凄みがある。子供に対する過剰な期待という類いのものではなく、この父はイチローが失敗したら自分自身の人生も道連れになる覚悟を決めており、そこには悲壮感すら漂っている。この父親なくして天才イチローの存在はあり得なかった。
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