聖書はそもそも2000年以上も前の古文書であって、注釈なしにはまともに読めるわけがない。かといって、教会でもなかなか細かいところまでは教えてくれないし、自分でいちいち調べていたのでは一生涯の仕事となってしまう。著者は、以上のような考え方から、小ポイントの活字で本文に最小限の補足を試みた。これはありそうでないアイデアであり、一般読者としては、あっちをめくってこっちをめくってしなくても、単に本文を追っていくだけで、一通りの意味がとれるわけであるから、非常に素晴らしいと思う。より深い理解を求める人は、これを読んだ後に注釈書に進めばよいのであろう。
なお、同じ塚本虎二氏の「使徒のはたらき」(岩波文庫)は現在絶版であるが、これも本書と同じ手法で書かれており、非常におすすめ。古本で入手するとよいと思う。