入門編に続く、マネジメント編です。SEとして出世して、複数のSEを束ねる立場になった時に必要なことが書いてある本です。
当面マネジメントにかかわることのない人でも、将来役に立つかもしれず、またマネジメントを実際にやっている人と意思疎通を図るには、こういう視点は必要となるでしょうから、読んでみる価値はあると思います。
志を持って、SEの集団として社会の役に立つにはどうすればいいかが、具体的な例を挙げつつ書いてあって、大変役に立つと思いました。
ただ。著者がSEマネージャをやっていた時期はSEをやっていた時期より新しいことを考えると不思議に思えますが、入門編より古さが目立っているように思えます。多くの人を長いスパンで扱わなければならない分、古さが致命的になることが多いのかもしれません。いざとなったら徹夜すればよい、という考え方はだんだん通用しなくなっていっていると思いますし、すべてのSEがいずれは技術重視のSEを卒業して多数のSEを従えるSEマネージャになることを前提に、教育方針を決めるのもちょっと困る気がします。
ひょっとすると古いかどうかは関係ないのかもしれません。いろいろな開発を並行して進めるという方針は、製造業界の混流生産やアジャイル的な考え方の流れを考えると、むしろこれからの時代に必要になってくることなのかもしれませんが。
ただ、一つの開発に専念しないといけないというのは、単なる個々の開発者の好みの話ではなく、そうしないと生産性が大幅に落ちる、というデータをもとにしている話のはずです。慣れれば大丈夫とかいう話ではない。これだけいろいろ勉強して考えている人なら、知らないはずはないと思うのですが。そのへんどう考えているのでしょうか。新しいことを提唱するのはよいことですが、それが今まで導入されてこなかった理由となるデメリットを解決したうえでなければ、意味がないことだと思うのですが。
全体的にこれまでの自分の経験が、時代や状況によらずすべての状況で有効である、ということを前提とした記述が多いような気がします。
ということで、入門編より鵜呑みにはできない面は増えているように思えます。とはいえ、この本の主要読者はマネージャのはずですから。本に書いてあることを簡単に鵜呑みにする人は少ないので実質問題はないのかもしれません。