もしも、自分が死んだら...
誰もが必ず死ぬ。
自分一人、誰も身寄りがない場合は、行政が供養して「お骨」を保存してくれる。日本は丁寧な国なのだ。
しかし、身寄りがあると我らは我らの思うように扱ってくれず、家族・親族が多くは仏式でしてしまう。
この書は、葬儀・法要に関して日本社会の実情を具体的かつ克明に書いてある。仏式・神式・キリスト教式(カトリックとプロテスタントをちゃんと区別してある)で日常行われている葬儀その他が十分納得できる。
葬儀って大変なことなのだ。伊丹十三の傑作映画『葬式』を思い出す。
この書の良いところは、「無宗教葬」にもチャンと配慮していることである。『無宗教葬を行う場合に気をつけたいこと』という項では「当然、戒名(仏名)もつけないことになるので、墓が寺院にある場合は、納骨できずに、葬式のやり直しを求められる、などということもあるようです。」という丁寧さ。
代々の墓も無く流れ者として暮らしてきた者の末裔としては、自己の死んだ後をどのようにしようか、家族の立場も考えないといけないし・・・
とにかく、死んだ後のことを考えると自分らしく自己の遺体を処理するには 自分の家族の協力と覚悟がなければならないということがよくわかる。
簡素でしっとりしたお別れで、戒名もつけず、ある寺に永代供養してもらえればいい。そう、思っている者としては、コリャ大変なことなのだと知らされる。さあ、大変。日本国民はこの書を参考にして葬儀を行ってきたのだろうか...。生者必読の書。