民主党政権成立とほぼ同時に出版された本作。
外国人参政権が憲法上認められないことや、最高裁判決の矛盾を法律知識のない人にも理解できるように説明されている。
国家は運命共同体である、と反対論者のよく言う意見の意味が本書を読めば理解できる。我々日本国民は日本国と運命を共にするが、外国人はそういうわけではない。日本国と外国人の出身国との間に政治的衝突や利益を巡る争いが勃発した場合は、外国人は出身国の利益に奉仕することになるのは容易に想像がつく。
参政権は公的義務なのだから、いつでも放棄して出身国に帰国できるような制度で外国人に参政権を与えることは危険であると百地氏は語っているが、賛成論者はどのように考えているのだろうか。
最後に、本文中でも触れられている1995年最高裁判決の傍論であるが、本書には触れられていない情報を付け加えておく。
「あの傍論を重視しすぎることは、法の世界から離れた俗論である」という趣旨の発言を2007年にしている法学者がいる。
何を隠そう、あの傍論を担当した、園部逸夫氏によるコメントである。
賛成論者は「最高裁で認められた」という人が多いようだが、この園部氏のコメントについてはどう思っているのだろう。園部氏は最高裁判決の結論にも賛成しているようだし。
法律知識のない人間から見たら、どう見ても「認められていない」としか思えないのだが・・・。