ビジネスの現場や日々日常の場において直面する問題解決についてそのやり方、道具だての指南を指し示してくれる良書です。
目次の項目に、「MECE」がある為、論理思考系の啓蒙書の類かと予想して詠み始めましたが、そうではなくタイトル通りずばり「問題解決」にフォーカスして、分り易い文章と具体的な例示によって、あまねく読者に良質な問題解決者になってもらいたい、との趣旨で書かれていると思います。
比較的平易な文章、グラフ、チャートで構成されている為、特に頭を抱えることなく最後まで一気に読了出来る為、少し物足りなさを感じる方もいるかもしれません。
しかし、あとがきに「どのような場面のどんな立場の人にとっても」「問題解決のコンセプトを出来るだけ単純化し」よって「わかること」で終わらずに、ビジネスの現場で「実行できること」を支援すること、が本書の設計意図である、と書かれており納得しました。学術的に精緻な論理を大上段から振り下ろす類の書(そのような書はそれはそれで読み応えがあると思いますが)ではなくあくまで実用書である、と私は理解しました。
よって本書は初学者にも平易に基本コンセプトが理解でき、かつ、ビジネスの現場に手近において置き必要とあらば必要箇所を再読して手助けをしてくれる参考図書となるでしょう。
当たり前かもしれませんが、一度の通読で終えるのではなく、再読、再々読に適した良書です。
ちなみに「MECE」の概念については優し過ぎる説明に留めているので、この点で引っかかる読者には東洋経済新報社「ロジカルシンキング」で理解を深めることをお勧めします。