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新版 合本 三太郎の日記 (角川選書)
 
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新版 合本 三太郎の日記 (角川選書) [単行本]

阿部 次郎
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「三太郎」に仮託した著者・阿部次郎の、精神の苦悩と思索を跡づける内省の記録。その魂の遍歴は、大正・昭和の教養主義思想に多大な影響を与えた。「青春の書」として読みつがれた記念碑的名著を新版として刊行。

内容(「BOOK」データベースより)

角川選書創刊第1号は、1968年9月20日初版の『合本三太郎の日記』。永遠の青春の書として大正・昭和期の学生の必読の書であった。「三太郎」に仮託して綴られる、著者の苦悩と内省、自己を確立していく豊かな感受性と真摯で強靱な思索のあとは、多くの学生に圧倒的な共感をもって支持され、愛読されてきた。人間存在の統一原理を、真善美の追究による自己の尊厳という「人格」におく、著者の「人格主義」につながる思想が横溢。

登録情報

  • 単行本: 573ページ
  • 出版社: 角川学芸出版; 新版 (2008/11/10)
  • ISBN-10: 4047034398
  • ISBN-13: 978-4047034396
  • 発売日: 2008/11/10
  • 商品の寸法: 18.6 x 13 x 4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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形式:単行本
私は高校時代に、たまたま出会った学生に与う (教養ワイドコレクション (085))を読んで教養主義と哲学、読書に目覚め、人生を真面目に考えようと思い始めた。しかし、「何を考えればいいかわからない」というなんとも寂しい自分の力量の壁にぶつかってしまった。そこで学生と読書 (1949年)を手掛かりに本書を読み始め、思考の手本や体力を少しは身につけたように思う。

最近は経済状況などの危機感から、人生についてまじめな若者は多いからか、そういう出版も盛んになってはいるが、揃いも揃って内容が薄い。ちょっと風が吹けば飛ばされるような思考の体力しか身につけられない。書き手はもっともらしい根拠をつけた「〜すべき」「〜あるべき」「〜歳までに〜しろ」等というマニュアルを説くことの、若者への有害性をよく認識した方がいい。読む側もそのようなもっともらしい言説に簡単に納得してはならない。突き詰めれば教育の問題なのだが、学生はいい意味で捻くれてほしい。

三太郎の日記はいつの時代も、人生の悩みに「まず自ら考える」青年の書として読み継がれてきた。そしてその価値と役割はこれからも変わる事は無いだろう。人生を楽にノリで生きようという若者はもはや読書もしないだろうが、思春期、青年期に真面目に人生に悩む学生には、今でもこれ以上に価値のある本はない。

三太郎の日記は第一、第二、第三、附録に分かれる。
第一で著者は多方面にわたる勉強をしたけれども、それでは知識が増えるばかりで、肝心の自分というものが蒸発してしまうと悟り、自分を救い出そうと努力する。第二は、苦心の末、救い出すのには成功したが、其の自分の貧しさに悩みはじめ、これを高めようと努力する。つまり、第一は「自己確立」の記録であり、第二は「自己超克」の記録である。そして第三は「社会的発動」の記録である。高められた自分が、愛の原理によって社会を構成しようと外部へ積極的に進み出た段階である。構成を短く言えばこのような感じである。しかし、本書の読み手にとって大切なのは、本書を読みながら自己について考える事であろう。本書を構成と要約を知れば事足りるとするならば、マニュアルを読むのとなんら変わりはない。

清水幾太郎は、本書を読めるのは自分の職業を決定する前だけだと言う。なぜなら、若者にとっては、自分の職業が決定されると同時に、人生の問題の大部分は解決されてしまうから。人生に悩む大学生と就職が決まった大学生の表情の違いを見ればわかるだろう。この辺の考察は秀逸であるので、もっと知りたい人は本はどう読むか (1972年) (講談社現代新書)を参照していただきたい。

若者のための本とはいえ、現実には若者が自ら本書を見つける機会はあまりないだろう。親、教育に携わる人は、ぜひ本書の価値を見抜き、子供に生徒に本書をプレゼントしてほしい。
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