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新版  原子力の社会史 その日本的展開 (朝日選書)
 
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新版 原子力の社会史 その日本的展開 (朝日選書) [単行本]

吉岡 斉
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

戦争期から始まり、破滅的な福島第一原発事故にいたる半世紀以上、日本の原子力開発はどのように進められてきたのか。核をめぐる国際政治の下、政・官・産業界・学界・自治体を巻き込んだ原子力の政策の展開をあざやかに切り分けた通史。原発事故直後から再刊希望が沸騰した旧版を改定した待望の新版。著者は政府の「原発事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長)の委員を務める。

内容(「BOOK」データベースより)

福島第一原発の破滅的な事故にいたるまでの70年間、日本の原子力開発はどのように進められてきたのか。大戦中の実らなかった原爆研究の後、戦後は核平和利用の旗のもとで世界にもまれな「安定成長」をとげてきた日本の原子力発電だが、核燃料サイクルも使用済燃料処理も計画通りに進まず既設原子炉の老朽化が進む―それらを担ってきた政・官・産・学・自治体のせめぎあい、さらに背景にある核をめぐる国際政治などをあざやかに切り分けた本格的通史。福島事故後、再刊希望が殺到した旧版を改訂した待望の新版。

登録情報

  • 単行本: 424ページ
  • 出版社: 朝日新聞出版; 新版 (2011/10/7)
  • ISBN-10: 4022599839
  • ISBN-13: 978-4022599834
  • 発売日: 2011/10/7
  • 商品の寸法: 18.6 x 12.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
Amazonが確認した購入
 前著が今手元に無いので誤解もあるかもしれません。
まず、「追加」ですが、この部分が実はとても分量が多く、記述が多くなっています。
追加されている章が「事故・事件の続発と開発利用低迷の時代」となっています。
従って、ここにJCO事故ともんじゅ事故と東海再処理工場爆発事故が全て含まれます。
また、いわゆる事故だけでなく、この章で通史的に扱われているのは、
電力自由化論の台頭とそれの実質的な頓挫の過程、福島県の佐藤栄佐久知事の反乱などまで広がっています。
この「追加」分で恐らく本書の1/3程占めます。
あらためて90年代後半から福島原発事故まで見渡してみると、
この分量の記述が必ずしも冗長というわけでなく、
本当に「事故・事件の続発と開発利用低迷の時代」だったのかもしれません。
 あくまで個人的な門外漢の感想ですが、あと10年くらい経ってから福島原発事故を振り返ったとき、
90年代辺りから2011年までは不吉な下降線の序章とその転換点として思い出されるのかもしれないと思いました。

 「追加」以外の部分でも、加筆訂正が実はかなり広範にあります。
すぐわかるところでは、2元体制的サブガバメントモデルという印象的な用語が、
「2元体制的国策共同体」と言い換えられています。不要な想像を避け直感的にわかる言葉に置き換えたようです。
また、前著に比べると2元体制を構成する科学技術庁グループと電力+通産グループに関して、
それらが2対で国策を代表するという視点だけでなく、両者が利害を異にしていて、
最終的には科学技術庁グループ→衰退と電力+通産グループへの原子力政策全般の移譲が明確にされています。
(ひょっとすると、前著でも指摘されていたが印象に残っていないだけかもしれません)。
原発関係の著作では珍しく、科学技術庁の開発関係で核融合や原子法レーザー濃縮技術についての解説があります。

 前著と同様、原子力発電に関連した通史としては、全てを概観出来るというとても貴重な本です。
特に科学技術庁関連で核燃料サイクルについて全体像と開発の歴史を頭の中で整理するのにとても役に立ちました。
 前著を読んだ方も、購入して全く問題ありません。
これからこの分野に興味を持つ人にも十分役に立つと思います。
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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By nonmart
3.11以降、過去20年くらいの間に刊行された原発関係の書物が次々と再刊・復刊される中、なぜこの『原子力の社会史』が復刊されないのか不思議に思っていました。お陰で旧版の古書価格があまりに高騰し驚いていましたが(新版が刊行され、落ち着きましたが)、新版が刊行されることを知って腑に落ちた次第です。
刊行と同時に新版を入手し、つい旧版と比較しながら読み進めてしまいました。完全に新稿の部分はページ数にして1/4程度だと思いますが、全体にわたって細かく手が入っています。こうした刊行形態の本にありがちな、旧版の最後にちょこっと新章を付け加えただけの書物とは異なります。
ただ、旧版(今回、読み比べましたが、ほとんど細部の内容を忘れていて苦笑しました)のときも同じことを思ったのですが、この選書の限られた体裁にできるだけ多くの情報を盛り込もうとしているため、正直、情報過剰で、せっかく著者が提示しているモデルや時代区分が読者に上手く伝わらない(咀嚼できない)可能性があるように感じます。
もちろん、本書が、通読しうる唯一の日本の原子力の社会史の通史であることの価値は不変ですが、できればもう少し見通しがいい本であって欲しかった点と、(致し方ないとはいえ)最終章があまりにドタバタで終わっている(この点は、著者なりのビジョンが提示されていた旧版の方が優れていたと感じます)点を考慮して☆4つ。
次回作に期待します。
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By もなか VINE™ メンバー
色んなところで褒められていた本書。著者があとがきで言うとおり、この分野について手に取りやすい「通史」が存在しないという点で、貴重な本である。戦後の黎明期から、画期的なトピックを中心に時代区分を設定し、多岐に渡る事象を理解しやすく構成した労作。3.11後の状況にも可能な限り言及されており、その部分だけでもぜひ多くの方に読んでほしい。ただ、いささか無味乾燥な教科書的記述が多くなっているのは、致し方ない部分があるが、残念な点。
また、これは個人的な思い込みなのかもしれないが、「社会史」というタイトルからは一般国民や原子力業界外の企業、マスメディア等も含めた日本社会全体と、原子力の関わりというものを想像したのだが、本書が取り上げる範囲は電力業界と(国の)原子力行政の歴史がほぼ全てといってよい。著者の提起する「通産省(現経済産業省)」と「科学技術庁(現文部科学省)」による二元体制を日本の特徴的なシステムとする視点は重要だし、確かにそれらの「政・官・業」の枠組みが極めて強い推進力を発揮したことは紛れもない事実だと思うが、脇役であった国民や学界、マスメディアは何故脇役に甘んじざるを得なかったか、いかにしてこうした枠組みに取り込まれていったのか、という疑問が最後まで解けなかった。
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