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新版 チェルノブイリ診療記 福島原発事故への黙示 (新潮文庫)
 
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新版 チェルノブイリ診療記 福島原発事故への黙示 (新潮文庫) [文庫]

菅谷 昭
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

甲状腺外科医は、原発事故の放射能汚染地域で多くの子どもを救った――「レベル7」事故の悲劇を知る医師による貴重な記録と警告。

内容(「BOOK」データベースより)

チェルノブイリ原発事故の影響で甲状腺ガンになった子どもを助けたい―外科医菅谷昭は、ベラルーシに5年半にわたって滞在。貧弱な医療体制の中で数多くの子どもを救い、その手技は「奇跡のメス」と賞賛された。事故後、子どもたちの身に何が起きたのか。現地で綴った貴重な診療記に福島第一原発事故を受けての警告を加筆した、原発禍を最も深く知る医師による真実のレポート。

登録情報

  • 文庫: 245ページ
  • 出版社: 新潮社; 新版 (2011/6/26)
  • ISBN-10: 4101346410
  • ISBN-13: 978-4101346410
  • 発売日: 2011/6/26
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 0.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
27 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By フエゴ島民 トップ1000レビュアー
チェルノブイリ関連の書籍がどんどん復刊されています。
それ自体はよいことですが、そのきっかけが福島原発事故とは
不幸なことです。

この本は、チェルノブイリで甲状腺ガンが増えていることを
たまたまNPOの活動を通して知った、大学助教授が、ベラルーシという
その当時は殆どの日本人が知らなかった旧ソ連の国に単身移り住み、
医療協力を5年にわたって行った記録です。

今の福島原発事故の対応にすぐ役立つ知識が書かれているわけでは
ありません。
中年期になって、生き甲斐を見失う一人の医師の姿、
また物が余りすぎて、逆に生活の意味を失う日本の社会への批判、
旧ソ連時代から受け継ぐ官僚主義と経済的貧困にあえぐ
ベラルーシというスラブ国家の状況が、
著者の鋭い観察で描かれています。

文庫本の前書きに著者が記しているように、現在日本は核物質による
汚染列島になってしまいました。
風向きがチェルノブイリの北向きだったために強く汚染されたベラルーシ
で、100倍にまで増えた子供の甲状腺ガン。そして医療の貧困のため、
2度、3度の再手術を黙々として堪え忍ぶ子供たち、その家族たちの
かなしみ・・。

チェルノブイリの悲劇は現在も続いているようです。
その悲劇の教訓を私たちはしっかりと学ぶ必要があります。
このレビューは参考になりましたか?
39 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ゴルゴ十三 殿堂入りレビュアー トップ100レビュアー VINE™ メンバー
子どもたちを放射能から守るために」を読んで本書に興味を持ったので、読んでみました。チェルノブイリの悲劇(特にベラルーシの子供達:原発事故から5年後から甲状腺がんが急増)が、今(2011年)から5〜10年後のフクシマに起きないように、我々大人はどうすべきなのか考えさせられました。

特に次の文章(「 」内)を読むとドキッとさせられました。皆さんはどうですか?

「何度悔やんでも悔やみきれないあの事故当時のことが、今もなお脳裏から消え去らないに違いない。
あのとき、外に出さなければ。あのとき、キノコを食べさせなければ。あのとき、森に連れて行かなければ。
とにかく、自分を責めさいなむことばかりではないだろうか。(中略) 今さらいくら自分を責めたところでどうにもならないと、わかりすぎるくらいわかっていても、わが子への不憫さはつのるばかりであろう。」
→ 子供達の外部被曝・内部被曝を最小限に抑えることに専念せねばという思いを強くしました。『泣くよりも笑われる方がマシ』です。"直ちに影響はない 云々"を鵜呑みになさらぬよう。

「これまでは移住対象の基準を、居住地域の土壌汚染度によると決めていた。しかし、新しい移住基準では年間被曝総線量(内部被曝量と外部被曝量の合計)が5mSv以上の住民としている(国際許容基準は1mSv以下)。結局このように変更することにより、国は従来の事故対策費を大幅に減額できるのである。」
→ 文科省は年間被限度曝量を20mSv以下(外部被曝量)と世界に向かって宣言してしまった。これでは世界の人から『日本はベラルーシよりも放射能で汚れているのでは?!』と思われても仕方ない。(大本営発表が信用できない以上、放射能汚染に対しては自衛しかない)

「他人に与えた影響の総量が、その人の一生の価値を決める」
→ 本著者の生き方は、そのお手本と言えます。詳しくは本書をどうぞ。
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By MM
手術するまで元気だった7歳の男の子が
手術前に、点滴を怖がって「1回だけだよ!」って言ったのを最後に
術後病態が悪化して、担当医が切開したときは遅すぎてまにあわず亡くなってしまった話のところが
脳裏に焼き付いています・・。

何の罪もない子供に、どうしてこんなつらい思いをさせなければならないのか・・

手術前はみんな明るくふるまってるそう・・
でも、手術台にのぼり、手術がはじまる直前、こらえていたものが抑えきれなくなり
涙を流す子供が多かったそうです・・。

この本は、全部良かったのだけど、恒例の気になったところをちょこっと紹介してみます。

まずは■解説 池上彰より

原発周辺にいた子供たちの健康はどうなるのか。
避難地域に指定された場所の外側でこれから暮らす子供たちの健康は本当に大丈夫なのか心配でなりません。 チェルノブイリ事故後の子供たちはどうなったのか。
この書はいまこそ読まれるべきものです。

菅谷さんの手術技術は世界トップ水準であり、

首の皺に沿ってメスを入れ手術の痕は殆ど目立ちません。

これは思春期を迎えた子供たちにとって大変重要なことでした。

菅谷さんの腕前については2003年5月NHK放送「プロジェクトX」「チェルノブイリの傷 奇跡のメス」で紹介されています

■新版チェルノブイリ診療記

国の初動の経過からは全く危機感を感じる事ができなかった。略

政治家や官僚あるいは研究者は統計や集団という形で物事を考えたり処理しがちだ。

チェルノブイリでの経験から私が強く願うのは、目を向けるべきは個々のケースであるということだ。

■政府の発表「ただちに健康に影響を与えるレベルではない」といった言い方が頻出する。

嘘ではないかもしれないが国民が必要とする情報を全て提供しているかといえばそうではない。

情報を小出しにすればかえって疑心暗鬼を招くだけだ。

自国の政府を信用できないくらい惨めなことはない。

■警戒すべきは「内部被曝」 レントゲンやCTに比べて安心とか安全とか語られているが

これは一過性の外部被曝の話。

塵のように浮遊する空気中の放射性物質を吸い込んだり、

露出した皮膚(粘膜や傷口を介したり汚染食品を食べて体内に入って、

細胞や組織単位で持続的に被曝するのが内部被曝

■なかでも問題が多いのが汚染食品からの被曝だ。

放射性ヨウ素やセシウムストロンチウムといった放射性物質が付着したものを食べると

胃や腸から吸収され血液中に入る。

通常の場合放射性ヨウ素は甲状腺に、セシウムは全身の筋肉に、

ストロンチウムは骨に入ってそこに留まり害を及ぼす

■放射性物質が体内に取り込まれると、

核種により飛程の短いα線やβ線等によって細胞は放射線を浴び続けることになる。

だからたとえ微量の内部被曝であっても甚大な影響を受ける可能性は否定できない。

福島の事態が長引くなら、大気や水、土壌、そして食品の汚染が東日本全体に広がってしまう事態も(略)

風が運んだ放射性物質が雨などで落下し(放射性降下物・フォールアウト)

水や土壌の汚染が広がり、加えてそこで栽培される野菜や、

草を食む牛が出す牛乳が汚染される。

海洋の汚染もすでに起きており、小魚より大型の回遊魚へと食物連鎖に伴って放射能は濃縮され蓄積は大きくなっていく。略

チェルノブイリ事故後10年以上経過しゴメリ州のような高度汚染地域で

子供の甲状腺癌発症率が100〜130倍に跳ね上がった事は紛れもない事実だ。
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