93年の旧版は衝撃的だった。指導者を天才芸術家・演出家の観点から分析して長期政権の秘密とその限界を解明した視点の斬新さに笑いながらも唸り、テリー伊藤の奇才に目をみはったものである。
15年以上の歳月が経過し、かの国の中でも、日本や米国等との関係においても様々なことがあり、問題の切迫度は増してお笑いの段階を超えている。しかし、新版には新たな展開はほとんど反映されていない。
旧版との違いは、本のサイズがひとまわり大きくなったこと、冒頭にカラー写真・図版の頁が加わったこと、過去の取材映像を編集して6曲(本文中で紹介された2曲を含む)歌をながすDVDが添付されたこと、その曲目紹介を兼ねた根本敬の漫画6頁が追加され、最後に水道橋博士の解説がついたことに留まる。本文の内容に変わりはない。各頁の頁番号が機械的に10増えただけで、かの指導者の肩書も、ウォン/円の換算も、後継者が云々されている指導者の肩書や家系図もそのまま。
このように新版は90年代前半の情報で占められている。よって、旧版を持っている人にとって付加価値は高くない。旧版を持ってない人はこの機会に入手してもよいだろう。