2009年6月に発行された新版は、2004年5月に発行された旧版よりもサイズが一周り小さくなり、ページ数を多くしています。この仕様の変更は、本書を片手に京都観光をしてもらい、京都に残っている洋館を実際に訪れて雰囲気を楽しんでもらうガイドブックの役割を果たすという意図だと推察しました。
『京都の洋館』は、お寺や神社ばかりが京都の魅力ではありませんよ、という本です。日本で最初に電車を走らせたハイカラ趣味の街でもある京都の至る所に個性をはなっている洋館を実体験するためのガイドブックですので。
冒頭に掲載してある四条大橋南西詰の「東華菜館」は、有名な建築家ヴォーリズの設計になるものです。円山公園にある「長楽館」は白亜の洋館で現在も多くの観光客がティルームやレストランでくつろいでいます。京都の学生達が愛した「進々堂 京大北門前」「フランソア喫茶室」「喫茶ソワレ」「築地」等の喫茶店は、今も昔のまま同じスタイルで京都の人達に愛されています。
桜の頃には見事な景観を見せる「銀月アパートメント」や、銭湯マニアに愛されている「船岡温泉」、そのすぐ近くにある「さらさ西陣」のように、一般的な「洋館」という範疇には入り辛い建物も紹介しています。「レトロ」というくくりならその通りでしょうが。
京都大学、同志社大学、龍谷大学の建物も掲載してあります。なかなか内部を訪れるのは難しいでしょうが、機会があれば是非見学したい建築物群です。
京都の「洋館」を辿って、遥か遠い昔に思いを寄せてください。一味も二味も違う京都を発見するでしょう。