旧バージョンの単行本『万事快調』に2編の短編を追加して復刻したのが、この『新版・万事快調』です。収録作は、コットンコミックという成人向け漫画雑誌に、ひっそりと連載されていたものです。駕籠先生がブレイクした後にようやく単行本にまとめられ、めでたく陽の目を見る事になりました。
駕籠先生の実験精神が爆発していた時期(1995〜97年頃)の作品群なので、ファンじゃない人には相当ハードルが高いです。また、ほぼ同時期の作品の入ってる『健康の設計』よりも遥かにシュールで難解なので、意図的に実験的な作品を選んだというのもあるでしょう。
マイベストは『びっくり黙示録』です。この世界には、通過する村を次々と消滅させてしまう「アキラ(馬に乗りギターを背負った男。一種の自然現象という説明があるのみ)」という絶対者がいて、ある村に彼が現れ大騒ぎになります。彼の進行をくい止めるため、人々が奮闘する様子が面白過ぎる。
人間を改造した戦車や兵器の出てくる『輝け!大東亜共栄圏』にありそうなネタや、ストーリーの形のある話もいくつかはありますが、やっぱ最初は避けるのが無難。
『万事快調』『万事良好』『万事太平』の万事シリーズ辺りは、もう何がなんやら…。もはや、意味がわかるとかわからないとかいう次元の問題ですらありません。ただその狂気に圧倒されるのみ。まあ少なくとも熱心な駕籠ファンにとっては、読んでおかねばならない作品なのは間違いないです。
「動力戦線」
「動力愚連隊」
「動力計画」
「動力最終作戦」
「超動力時空転移」
「超動力宇宙戦襲来」
「万事快調」
「万事良好」
「万事太平」
「怪談生娘吸ケツ魔」
「筋の真心」
「恋愛準決勝戦」
「びっくり黙示録」
「腰抜け新種誕生」
「快楽殿の創造」
「まぼろしのレアアイテム」