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新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学
 
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新潮選書 日本はなぜ貧しい人が多いのか 「意外な事実」の経済学 [単行本]

原田 泰
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (23件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日本の地方に豪邸街がないのはなぜ?北欧は本当に日本より年金制度が充実しているのか?人口が減少すると国力も衰退する?世界金融危機の影響はどうして日本で大きいのか?日本のエネルギー効率は断トツに高い?経済政策、少子高齢化、国際競争力、教育、年金制度について流布している通説を統計データと経済学的思想で「逆説的」に覆す。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

原田 泰
大和総研常務理事チーフエコノミスト。1950年生まれ。1974年東京大学卒。経済企画庁国民生活調査課長、同海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て現職。『昭和恐慌の研究』(共著、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本国の原則』(石橋湛山賞受賞)などの著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 284ページ
  • 出版社: 新潮社 (2009/9/26)
  • ISBN-10: 4106036487
  • ISBN-13: 978-4106036484
  • 発売日: 2009/9/26
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (23件のカスタマーレビュー)
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82 人中、71人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
各誌や日経のサイト等で発表された論考を一冊に纏めてある。
非常に面白く興味深い考察がなされているので是非一読されたい。

一例を挙げると、地方における給与の官民格差を
「優秀な人材を確保するため」と正当化する言説は真っ赤な嘘で、
民間から人材を奪う結果に陥ってしまうこと、
日本の高齢層は既に北欧並の社会保障給付を受けており
例え幾らか削減されても給付は高水準であること、
(これは主に共済年金と厚生年金の受給者と思われる)
しばしば医療制度が高く評価されるイギリスは
日本と比べて遥かに育児支援に多額の予算を投入していること。

突っ込み不足の論考も散見されるが、
誤った前提での議論が時間の無駄であるのは明らかで、
当書を読んで経済リテラシーを高めて欲しい論者が
数えきれないほど大勢いらっしゃる現状が残念でならない。

追記:ひとつ重大なすり替えを発見。「人口が減ると貧しくなるとの説は誤り」と巻頭で主張されているが、正しくは「人口減少で貧しくなるとは限らないが、経済成長の足を引っ張るのは確実」である。著者も「何もしなければ日本は毎年0.5%ずつ貧しくなる」とP109で明言しているのだが。。

追記2:熟読した末の結論。著者は通説に厳しいが、自説に対して甘い。生産性や構造問題に関する分析は粗過ぎる(90年代に高生産性の製造業から低生産性の建設・サービス業へ労働者が移動したことを問題視する池田信夫氏の方が説得的)。また、「若者の雇用改善は少子化対策になる」との説は根拠薄弱。出生率はバブル期も含め一貫して下落基調にあり、若年失業率と出生率の相関性は低い。欧州諸国の事例で、育児関連の社会保障予算比率の方が影響大なのは明らか。
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13 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By アキレスの踵 トップ1000レビュアー
形式:単行本
多くの人は気づいていないようだが、貧困の根本原因は住宅である。築100年を越える住宅を見つけるのは難しいが、民間木造家屋の平均耐用年数は30年程度しかないのをご存知だろうか。(旧建設省の建設白書より引用)先進国の中では極端に短いのが特徴である。「住宅を取り壊しては建て直し」を短い周期で延々と繰り返してきたのが、これまで日本人がやってきたことである。

江戸は木造住宅が密集している巨大都市だったが、大火だけで100回以上起こっていて、2.6年に一度の割合で焼けている。そんなに焼けるとなると、建てる方でも取り壊しを考えて建てたそうだ。「長持ちする頑丈な住宅を造ろう」という考えは生まれなかった。そんなことを考えても無駄だろう。どうせ焼けるのだから。江戸では狭い空間スペースを有効利用するため、大工の手仕事の巧みさが要求された。伝統が進む方向が違うのだ。

「日本にも合掌造りのように、木造でも100年長持ちする住宅がある」と反論されそうだ。たしかに現存する古い民家は素晴らしい。ではその素晴らしい民家が、あなたの住まいの周辺に何軒残っているのか?ああいうものは日本建築の例外で、主流は「取り壊すことを前提に建てる」という考え方だった。

その証拠に「土地値」という言葉がある。「本当に価値のある不動産は土地だけで、建物は消耗品にすぎない」という考え方だが、これが江戸時代から続く日本社会の伝統である。だから「土地神話」のようないびつな価値観が発達したのである。特に地域社会で活動している工務店が問題なのだ。彼らはなかなか本音を言わないが、酒が入るとポロっと洩らしたりする。「まあ適度に建て替えてもらわないと、俺たちの仕事ができないからね。」

重い住宅ローンを背負っている人は大勢いるが、ローンを払い終わる頃には住宅の耐用年数は尽き、経済価値はゼロになって売れないのが現状である。(いわゆる土地値)これが日本社会でいつまでたっても経済的余裕が生まれてこない元凶である。欧米なら土地だけでなく、ローンを払い終えた住宅にも値段がつき、資産価値が認められることをご存知だろうか?これがどういう違いを生むのか考えてほしい。
このレビューは参考になりましたか?
105 人中、83人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
いろいろなところで好意的に紹介されていたので読んだが、あまりに物事の見方が一面的で驚いた。

「日本の地方にはなぜ豪邸街がないのか」では、一億円以上の購入価格のものを豪邸と定義して、日本では地方に豪邸がないと書いている。さらに、それを根拠に地方では豪邸の住人同士の競争がないという。しかし、大都市と地方の地価の差を考えれば、高額な住宅が地方に少ないのは当たり前である。その点をまったく考慮せずに、成功を味わえる豪邸がないことが東京一極集中を生んでいる、とまで言う。

「世界はいつ不平等になったのか」では、紀元1年から2006年までの一人あたりGDPの試算をもとに、こう論じている。1700年頃まで世界は一様に貧しかった。その後、貧しい国は貧しいままで、豊かになった国は変わったがゆえに豊かになった。貧しい国を搾取したわけではない、と。

しかし、豊かになった国々は貧しいままの国々の資源や労働力も使ってきた。仮に、豊かになった側の基準でその対価を支払っていたら、貧しい国々の経済はもっと成長していたはずだ。「他の国を貧しくしたわけではない」と言うが、後発の国々が豊かになりにくいシステムを作り、相対的に貧しくするのは搾取の一種ではないのか?

このように、データ自体は正しくとも、現実の多面性を捨象して結論を導いている例が多い。

データを使って通説と違うことを言うと、いかにも冷静で正確に見えるが、データが一面「しか」表さないことを(あえて?)無視している(『環境危機をあおってはいけない』のB.ロンボルグも同じ論法だ)。一つの見方は示しているが、それが真実だと思わないように気をつけて読まなければいけない。経済学「だけ」で言えば、との但し書きが必要な本。

ただ、ものごとを考える材料にはなる。
納得できる章も少なくはない。
そういう意味では読んで損はない。
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