ノンフィクション作品としては★ひとつ……。裁判の傍聴記録。これを取材と呼ぶならば…他の作品の著者は怒ってしまうのではないの? 加害者の身辺の取材もないし、家族や友人の取材もないし、被害者側の取材もない。単に、裁判内容を抜き出して、まとめている。最高裁の判決文などはそのまま引用……。どうして、解説の「大谷昭宏」はジャーナリストであるのに、高評価なのか、理解に苦しむ。この人はテレビが主戦場だから?
著者の向き合い方が見えない。考え方も見えない。ノンフィクションとしては、同事件を扱った「14階段」のほうがおもしろい。(おもしろいと言っては不謹慎だが、著者の覚悟が見える)。ノンフィクションって、書く側に、自分をさらけ出す覚悟が必要だ。だから、作っている小説よりも、格段におもしろい。それがリアリティーの醍醐味だと思う。