書店に行くと沢山の民事訴訟法のテキストが並んでいる.
本書に接すると,分厚く,装丁も渋くとっつきがたい印象をうける.
思わず,薄いせいぜい二千円程度のテキストに手が向きがちなのも分かる.こういう私も民訴は「眠素」と思い込み,何度も薄いものへ向かった.
しかし,本書は基礎的な民法の知識があれば,どのページから入っても一定の成果のある著作であるということに気づく.薄いテキストで漠然と民訴の知識を得るというのではなく,まさに教えられるのである.
非常に文体が練られており,おそらくわが国で現在刊行されている法律書の最高峰の品質にありながら,もっとも平易に書かれたものである.
ページ数の多さは,新堂教授の性格もあろうが,読者の分かりにくいところを噛み砕いて説明しようとする誠意を感じる.だから,ページ数の多さに関係なくすらすら読めてしまう.学術書であるものの不思議である.
これまで民訴本で成果のなかった方々は迷わず本著を購入すべきである.
薄い民訴本で寝ているよりは,本著を読むことを奨める.